ソフト開発の実態は、建築業界よりもひどい状況なのではないだろうか。

建築業界は明確に請負として、各担当作業をこなせることができるのだが、ソフト開発はそうもいかない。

各自がつくっているプログラムが確実に他の部分と連携をしているからである。


業界構造が建築と違うにも関わらず、建築業界と同様に法的な規制を行う現在の制度は理解できない。

偽装請負や二重派遣という前に、きちんと成長戦略としてITを考えるなら法的な制度を整えるべきである。


政府が発注するシステム開発は規模も大きい。そのシステムを受注できるのは大手メーカーだけである。

しかし受注したメーカーはどうであろう。開発作業は子会社、グループ会社、下請け会社に、「委託契約」と

文字面の良い言葉で発注しているだけである。


システム発注は一括請け負いにしろ、見積もりは人月単価で見積もっている。何人の技術者が必要で、

その技術者の単価がいくらであるから・・・。という、だれでもできる見積もりである。


請負メーカーがSE一人単価を150万で受注したとしても、そのSEが開発をやるわけでもなく、

そのまま下請けに委託するか、派遣として呼びつけるかをするだけである。

請負メーカーが発注する人月単価が60万なら、請負メーカーの利益は、何もせず90万の利益である。


政府が発注したシステム開発に携わっている技術者の所属なども、いたって適当である。

メーカーは確認されたら、本来の自分の会社を名乗らないように指導している場合もある。

ひどい場合には、名刺すらつくらせる場合もある。


頭の良い人なら気がつくだろうが、何もしない大手メーカーに150万で発注するより、

実際の作業を身分を隠し行っている下請けの技術者に直接依頼をした方が、明らかにコスト削減になる。


整理をすると、

1・発注側の問題

2・受注メーカーの問題

3・ソフトハウスの問題

4・法的な規制の問題

5・公共事業化するシステム開発の問題

6・ソフトハウスに光をあてることの大切さ


これらをきちんと整理してききた。


 

国の本予算編成や、政策などを見ていると、情報産業への貢献については、まるで理解をしていないと思える。確かに、国家が語るIT戦略は将来的な道筋の話であり、構想を語る場でもあるが、昨今の経済状況や、IT業界の産業構造を考えると、IT戦略の問題点は、将来性や構想にあるのではないはずである。


国家で語るIT戦略については、大手企業への話であり、雲の上の話に聞こえてならない。


ITを支える多くの中小企業の実態を考えずに、大手の夢物語や恣意的な策略に引っ張られ、そこに予算を付ける。

「光の道構想」についてもそうである。全国に光回線を整備することで、何の役にたつのか。千葉県南部で、ある市が全世帯に光回線を引いた。光回線が全世帯に届くことは良いことでもあるが、それを使いこなす年齢層が少ない地域に、莫大な予算を投じて何の役に立つのかが理解できない。


そう言うと、役所は様々な理由をつけてくる。限界集落もあり、過疎地域に光回線を導入することで、過疎が止まるわけでもないし、高齢化問題が解決するわけでもない。ましてや人口なども増えるはずもない。


「光の道」もそうである。その構想が実現することで、日本の国がどう変わるのか、その効果はどういうものかが見えてこない。ましてや超高齢化社会に突入する時代に、それらが必要なのかと疑問に思う。


つまり国家のIT戦略について、大手企業や国家という大きな組織が夢物語を語っているだけであり、情報化という取り組みについて、まるで理解をしていない。


まず、考えなければならないこととして、国家のIT戦略をどうするかは、「高齢化社会に向けて、使い手が望むシステム構築やインフラ整備を行うことである。」

たとえば、光の道を整備することで「医療過疎地域問題が解消する」という考えではなく、「医療過疎地域問題を解決するための手段として光の道が必要なのか」という考えを展開するべきである。つまり、今のIT戦略は目的と手段を取り間違えているとしか思えない。


問題を解決するために「光の道」を整備する前に、実際にものつくりの最前線にいる中小企業のソフトハウスの意見をヒヤリングする必要なあるはずである。

ものつくりの専門家に、目的を達成するための手段を謙虚に聞くべきである。