ブレーキパッドはがれ
車検でブレーキを分解中。
どうもキャリパー付近が赤いなー、
と思いつつパッドを外してみると、
パッドが半分落ちてました↓
キャリパーとローターの間に挟まっているのが分かりますか?
多分このせいで、摩擦により熱を持ってしまったのでしょう。
ディスクローターにもレコードのような筋が入ってしまっています。
通常のブレーキパッドは、厚さが10ミリ。
徐々に減って、5ミリくらいまでは安全と言われています。
実際、ここまではパッドの減りが緩やかなのですが、
ここから先は、徐々に減りが早くなっていきます。
5ミリから2ミリが注意ライン。
このあたりから、パッドにセンサーがついている場合、
ブレーキを離した状態で走ると、「キー」という音がします。
また、停まる時にもブレーキ鳴きがする事もあります。
2ミリ以下になると危険ライン。
今回のようにパッドがはがれることもあります。
ただ、ここまで減っても、なんら症状が出ず、
気づかずに使用していると、パッドが無くなって、
ローターとパッドの鉄の面が直接触れることになり、
ブレーキをかけた時に「ゴー」という音がします。
制動力が低下し、非常に危険な状態です。
こうなると、通常パッド交換だけで済むところが、
ディスクローターの研磨もしなければならず、
余計出費がかさむことになります。
もっとも今回の場合、既にローターに線傷が入っているので、
これも研磨が必要になります。
安売り車検が流行っている今、
車検整備にお金をかけないようにする風潮があり、
ブレーキパッドも使える所まで我慢する傾向にありますが、
一歩間違えば、出費がかさむ上に、非常に危険を伴います。
また、北国では、消雪剤による錆が問題になってきています。
数年前より、錆でボロボロになったローターが増えた気がします。
ローターの表面が荒れると、制動力が低下し、
ブレーキペダルに振動が伝わって(ジャダ)、乗り心地も低下します。
意外な事ですが、車検の基準となる「保安基準」には、
ブレーキパッドの厚さは明確に規定されておらず、
テスターによる制動力が基準値をクリアすれば、
車検は通ることになります。
うちの工場は民間車検場で「前整備後検査」なので、
次の車検までもつかどうかを判断して整備しますが、
代行車検を含むユーザー車検の場合、
車検場で制動力をクリアすれば、
ブレーキの様子までは確認しない事がほとんどです。
ブレーキは非常に重要な部品です。
腕に憶えのある方は、是非一度確認してみて下さい。
もし、自信が無ければ、
お近くの工場に相談して確認してもよろしいかと思います。