- ラッキーボーイ (児童図書館・絵本の部屋)/スーザン ボウズ
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この本を読むのは二度目である。映画にしろ、絵本にしろ、1回目で終わることが多いが、もっと回数を重ねて見たり、読んだりすることは意味のあることである。忘れっぽいので、ストーリーがあやふやだったり、見落としたところを再発見することができる。また、時間の経過で、別の視点から作品を観ることができたりする。
でも、人生、時間が限られているから、そうたくさんはできない。
この本をはじめて読んだときに、近所に似たような境遇の犬がいた。めったに散歩にも連れて行ってもらえず、ノイローゼのようにただ時間があれば、鳴き続けていた。一度リードが外れて外に出ていとことがあったが、家から離れようともしなかった。
あれから、数年経っているが、相変わらず、気が向いたときは鳴き続けている。あんな境遇でも、長生きしているのが不思議なくらいである。犬なりに、心というものがあるのであるなら、心を病んでいるに違いない。
さて、絵本の犬も、当初は家人から見捨てられていた。彼の世界は、塀に囲まれた小さな空間でしかなかった。彼が、隣の孤独な老人のところで新しい生活を始めるまでは、「ラッキーボーイ」ではなかったし、比べるべき幸せの基準もなかった。老人も、妻を亡くしてから人との関わりのほとんどない生活が続いていた。お互いの出会いは、お互いの生き方を変えていった。アンラッキーが2つであったら、2倍以上のラッキーになった。この話の流れの結末は楽しいものである。虚構の世界でも、やさしい気持ちになれる。
現実の犬は、今日も無意味に鳴いているのか、命を永らえている。おっと、私たちは有意義に、自由な世界に生きたいるかって?



