二年ほど前、比国の車の多く行き交う大路にて起こりし事件、人々の心を打てり。その事件とは、飼い主の幼き娘とそのいとこ、大路を渡らんとするところにまさにオートバイが飛びこまんとするを、カバンなる犬の、進み来るオートバイの前に身を投げて子らを救いしことなり。この行いにより、カバンは己が顔の一部を失えり。
人々、かのカバンを英雄犬と称えり。しかし、その大きなる怪我は痛々しきものなれり。その時、カバンは子をはらみし雌犬なりし。昨今は、インターネットなるもの流行りおりしが、遠く米国なる女性、ふぇいずぶっく、つぃったーにてカバンを自国にて治療する活動を始めけり。結果、集まりし善意の寄付金にて、カバン、米国に渡り、長き治療を受けり。カバン、不幸にもがんも患いし、加えて寄生虫も宿りし身なり。難しき治療に多くの獣医関わり、カバン、良き治療を受けることかなう。病癒え、新しき顔を得て、本国に帰れり。
 これ、心ひかれしニュースなり。人々の善意も、今の世の、ネット世界のなせるわざかな。

 人にあらねども、犬にも「情けは人のためならず」ということあることを知り、驚かれぬる。新しき顔を得たるカバンに幸あれ。