トッペイのブログ

 以前にも書いたのだが、「八王子ラーメン」というと、「無常観」を感じてしまう。
元祖のラーメン店主の店には、行こうと思えば行けたのに、ついに行かなかった。
だから、本当の意味での「八王子ラーメン」は、一生食べられなくなった。

 この店主、気に入ったスープが出来ないと、店の前のドブにそのスープを流してしまい、その日はお店は急遽休業になったという、真偽不明の伝説まで残っている。本当の話だったら、すごいの一言に過ぎるだろう。満足いかないスープでも、客に出してもその客が店主ほどの味覚を持っているか疑問だし、店を占めるというのも、商人としてはあまりにも自分に忠実過ぎるようである。
 しかし、この気合が「八王子ラーメン」の元祖としての存在感を感じさせる。また、同じ人間が作っても、ラーメンスープは「生き物」のごとく、一日として同じものができないことを示している話である。返す返すも、その味を体験できなかったことと共に、「無常観」を感じてしまうのである。

 元祖の死とともに、八王子ラーメンの味はこの世から消え去ってしまった。しかし、刻み玉ねぎが入って甘味あり、醤油味、スープの表面に浮いた油という形に法って、元祖とは違う「八王子ラーメン」を称する八王子のラーメンが、誕生から50年の間に生まれ、それぞれが八王子のラーメンから「八王子ラーメン」として、地元に定着したようだ。元祖も、自分の頭の中のレシピ通りに作っても、味は微妙に変化していただろうから、店ごとの味の自己主張には、何もいうことはできまい。元祖の味を知らない自分には、味の比較もできない。

 スーパーマーケットのアルプスの創業50周年記念のカップラーメンとしての「八王子ラーメン」は話題になったし、好評のようでもあった。日清食品とのコラボが良かった。なお、コンビニで以前売りだしたご当地ラーメンには、当方は少しの興味しか覚えなかった。

 さて、このスーパーの50周年記念の第2弾は、ポテトチップの八王子ラーメン味であった。只今、地元の店舗で発売中であるが、コイケヤとのコラボである。
 99円のこの商品、早速試食してみる。ラーメンスープの味がした。香りもラーメンのそれ。黙って、市民に食べさせたら、何味か分かるのかな?でも、寂れゆくわが街には、愉快な話題であった。
 元祖「初富士」の店主も、こんな自体になるとは思わまかったであろう。ご当地ラーメンとしての「八王子ラーメン」、元祖の味とは連続性を失ってしまったが、その子供とも言うべき新しいそれが、全国区で知名度が上がればいいかもね。玉ねぎをきざむことも、ほんとにすごい味覚の新発見だったのだから。