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Life is wonderful

徒然なる毎日の出来事をつぶやきます。ワンコ、クルマ、音楽などなど。更新は不定期ですので、ご了解くださいね。

「どっちが歳上?」
 
 ボクの生活は一変した。だって、これまでは一緒に生まれた兄弟たちと犬舎で暮らしていたんだけど、今度は人間と一緒に暮らすことになったのだから。日当りのいいリビングルームの一角に、ケージが置かれ、そこがボクの寝起きする場所になった。もちろん葉山で遊んでいたバナナのぬいぐるみと、犬の母ちゃんの匂いがついたタオルも一緒。

 しばらくすると、タオルはなくなった。ずいぶん汚れて、くたびれてしまったから、父ちゃんが捨てたらしい。来たばかりの頃は、葉山で一緒だった犬の母ちゃんのことを思い出して、遠吠えしていた。でも、しばらくしたら、すっかり忘れてしまった。だって、人間の家族との生活は、刺激的で楽しかったから。

 お姉ちゃんとお兄ちゃんが、いつもボクと遊んでくれた。年齢は、たぶんボクよりも歳上だとは思うけど、わからない。二人とも犬を飼うのは初めてだったから、ボクとの遊びは、おっかなビックリ。ボクは二人が履いていた靴下に興味を持って、ちょっと噛んだりしたものだから、逃げ回っていたし。

 日当りのいい窓辺から外を覗くと、明るいテラスには鉢植えの花が咲き、どどこからともなく鳥がやってきた。たまに、どこかの野良猫が、我が物顔でテラスを横切ることがあったけど。

 しばらくすると、ボクは首輪とリードを付けられて、初めての散歩に連れ出された。家の前は車の往来もあるので、近所にある公園まで父ちゃんが抱っこしてくれて、そこでリードに引っ張られて歩く練習をした。自分のペースじゃなくて、父ちゃんのペースで歩くことには最初は抵抗したよ。ヤダ~ってお尻を下げて、前脚を突っ張ってみたり。でも、おやつを目の前に差し出されたら、もうそんなことは忘れて、すぐに父ちゃんのところに駆けつけた。

 いつも遠出する時には、父ちゃんの運転する赤いクルマで一緒に出かけた。まだチビの頃は必ず誰かに抱っこされて。一番遠くまで行ったのは、仙台まで。母ちゃんの知り合いは、東京の下町に自宅があるんだけど、ご主人が女川の出身で、仙台にも大きな家を持っていたので、そこに招待されたんだ。もちろん、犬のボクも一緒さ。さすがに遠くまで行かなきゃならないし、よその家に泊まるので、ボクは大きなケージに入れられて、クルマに乗せられた。

 横浜から東名高速道路に上がり、首都高を抜けて、東北自動車道をずーっと走って、仙台の町へ。仙台の中心から、少し郊外にある別荘地。そこが目的地だった。とっても大きな家の中にケージを運び入れて、ボクはそこで寝泊まりすることなった。とっても落ち着かなくて、ついついフードを入れるプラスチックの入れ物を噛み噛みして、後で怒られちゃったんだけどね。

 家族と一緒に松島にも行ったし、みちのく公園にも行ったよ。松島ではみんなは観覧船に乗りにいってしまったので、ボクはクルマの中のケージでお留守番だったけど、みちのく公園では一緒に思い切り遊べた。広い公園の中を一緒に散歩したり、大きなボールを追っかけたり。小雨が降っていたので、全身泥まみれになるまで遊んだけど、誰も怒らなかった。家に戻ってから、お風呂でシャンプーしてもらって綺麗になったら、疲れてすぐ寝ちゃったけどね。

 その後も、もう一度、仙台に行った。もちろん、同じ家に招待されたんだけれど、そんな思い出深い仙台も、やがてその家のご主人が亡くなって、行くこともなくなった。それから何年から先に大きな地震が起きて、仙台も大きな被害を受けることになるなんて。その時には、誰も想像もしていなかった。