本日の株式市況
イブニング・コメント
10日の東京株式市場で日経平均株価は反落し、終値は前日比491円64銭 (1.01%)安の4万8088円80銭だった。急ピッチの相場上昇が続いてきたなか、短 期的な過熱を警戒した利益確定や持ち高調整の売りが優勢だった。3連休を控え た手じまい売りや次期政権の枠組みを巡る不透明感も売りに拍車をかけ、日経平 均は4万8000円を下回って下げ幅を600円超に広げる場面があった。半面、日経 平均への寄与度が高いファストリが大幅高となり、日経平均を下支えした。
日経平均は前日に過去最高値を更新し、日足チャート上では長期的なトレンドを 示す200日移動平均からの上方乖離(かいり)率が9日時点で23%と、過熱感の目 安となる20%を上回っていた。10月の上昇幅はこの1週間あまりで前日までに 3600円超に達しており、10日は一方的な上値追いへの警戒感が優勢になった。
10日に算出を迎えた株価指数オプションとミニ日経平均先物10月物の特別清算 指数(SQ)値はQUICK試算で4万8779円14銭と、前日の日経平均の終値を上回 る水準だった。市場では「SQにかけて買い上がった短期筋が売りに回り、日経平 均の下げ幅が大きくなる要因になった」(立花証券の鎌田重俊参与)との見方が あった。
自民党と公明党の党首会談が開かれ、連立継続の是非を巡る思惑も相場全体 の不透明感を強めた。債券市場では売り(金利上昇)が優勢になる場面があり、政 権の枠組みの動向次第では株売りのきっかけになるとの警戒感も日経平均の重 荷となった。
ファストリは6.6%高で取引を終え、1銘柄で日経平均を260円ほど押し上げた。9 日の取引終了後に2026年8月期(今期)の連結純利益が前期比微増の4350億円 になるとの見通しを発表した。市場予想平均を上回ったことが買い材料視された。
中長期的な株高期待は根強く、下げ幅が拡大する場面では主力株に押し目買い を入れる動きもみらえた。日経平均は取引終了にかけて下げ渋る展開だった。
東証株価指数(TOPIX)は6営業日ぶりに反落した。終値は60.18ポイント (1.85%)安の3197.59だった。JPXプライム150指数は3日ぶりに反落し、23.90ポイ ント(1.67%)安の1406.08で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で6兆3382億円、売買高は24億9730万株だった。 東証プライムの値下がり銘柄数は1442。値上がりは149、横ばいは25だった。
トヨタやソフトバンクグループ(SBG)、三菱UFJが下げた。一方、良品計画と安 川電、資生堂は上昇した。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕




