この季節になると、
いつも言ってたね。
背中を寒そうに丸めて
手と手を合わせてこすりながら
「木枯らしが吹く頃の街が好きよ。」
その儚さに、
その甘い香りに誘われて
ずっと永遠に
お前の隣に居る事を想像して。
ずっと閉じ込めていたかった。
寂しいこの季節を2人で寄り添って
乗り越えていきたかった。
君の笑顔に救われて
君の涙を拭って
そうやって
お互いを知り合って
解り合って生きていきたかった。
でも、
そんな想像の世界を作って
その檻の中に
君を閉じ込めていたのは俺だった。
何も見ない、聞かない。
そうやって、
勝手に自分の中の理想に
君を近づけてただけで。
なぁ、
今年もそんな季節になったよ。
街は木枯らしが舞い、
色づいた葉っぱが
青空に映えて、
風に乗せて踊ってる。
その命の終わりの瞬間まで
人々を魅了する。
なぁ、
今年もそんな季節になったよ。
君が好きだといった街が
今年もやってきたのに…
どうして?
どうして、ここに居ないんだよ…
君を失って、
自分が子供だったことに気づいて。
今更後悔しても遅いのに…
寒いこの季節、
俺の左手は空っぽのままで。
これから来るであろう、
厳しい冬を乗り越えるだけの
温かさを失って。
それでも1人で
これから先の時間を
生きていかなくてはいけなくて。
中途半端に生きてきた
俺の記憶に君は永遠に残っていく。
刻まれていく。永遠に・・・
君が好きだといったこの街を
離れられない俺はまだ、
君を隣で感じながら
明日を、この先を生きていくよ。