高校生の頃
部活終わり
いつもは皆と一緒に帰るのに
その日は教室に忘れ物をして
1人寂しく
外に出ると
土砂降りの雨
ゲリラ豪雨というやつで
朝は晴天だった
傘なんて持ってなくて
駅まで走るしかなくて
途中まで頑張ったんだけど
息が切れてきて
諦めた時
頭上から
「傘、ないの?」
声がした
見上げるとそこには
野球部の先輩
話したことなんて
もちろんない
急遽入れて貰えた傘の中
高まる鼓動を隠しつつ
たわいもない話をして
駅まで行ってお礼をして
街頭の下で先輩を見上げると
反対側の肩が濡れていた
私のせいだと
ハンカチを出して
お互いの電車が来るまで
駅のベンチで再び始まる
ぎこちない会話
振り返ると
心がフワッと温かくなる
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