世界が真っ白になる夢を見た。
小学生の頃、
授業を聞かず
窓の外の山々をずっと見ていた。
中学生の頃、
授業を聞かずに
地図帳を指で辿って
日本の隅々まで旅していた。
高校生の頃、
恋愛に奥手だった私は
宛先のないラブレターを書いては
机に閉まっていた。
大学生になって私は東京に出た。
四月の陽射しに絆されて
私はようやく恋を得た。
とても不思議な人だった。
決して目を合わせそうとしない人だった。
けれども、優しい人だった。
それからどれくらい経っただろう。
いつの間にか私は窓の外の山々を夢見ることなく、
いつの間にか私は遠くの知らない街を夢見ることなく、
詩の書き方さえも机の中に閉まってしまった。
ふと目を覚ますと
私の世界は真っ白なまま
彷徨う夢を漂うような
曖昧な春の陽射しに閉ざされて
私はずっとその四月の中にいた。
閉ざされた思いは閉ざされたまま 硬く固く
出会いは時折残酷で
過去を
見ないようにしてた過去を
引き摺りだされる。
それでも私は
前へ向けるだろうか。
新しい出会いが新しい自分を作り上げてくれる。
そんな優しい答えが歩いていく未来にあるだろうか。
苦い思いを
抱えきれない程の優しい時間を
それからの三年間を
私は乗り越えられるだろうか。
『あなたはまだ若いから、
人生とは何かを獲得していくものだと
思ってるかもしれないし、
私にとってもある時期までは
そういう風に見えていたけど、
でも本当は人生って
失っていくことなんじゃないかなって
思うようになった。
その失い続ける中でその度に
本当の自分自身を
発見していくしか
ないんじゃないかなって。』
泣け、泣け私。
泣いて泣いて洗い流してしまえばいい。
だって
失ってしまう人生なんて寂しいじゃない?
それでも、
ラジオから聞こえてきた私へのメッセージに
少しクスっと笑えた私はきっと
明日へ進んでいける。
そう思った。
ありがとう。
私の人生にも あなたの思いにも。

