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「サニーランド蛇ノ島(じゃのしま)」という、かつて岩手県盛岡市上堂にあった遊園地をご存知の方、どの位いらっしゃいますでしょうか・・・?

北上川に架かる北大橋の上流にある中州「蛇ノ島」に、1967年(S42)6月に開園した私設遊園地で、ジェットコースター、ゴーカート、ウォータースライダー付きプール、スケート場などの遊戯施設があった。

当時、現在の「岩山パークランド」は存在せず、盛岡のレジャー施設といえば、デパートの屋上遊園地の遊戯施設程度の時代。しかし、オープン当初は賑わいを見せたものの、わずか3年「1970年(S45)」で閉園したという「幻の遊園地」です。

開設当初、十和振興株式会社が関わり、のち蛇の島スポーツセンターという会社組織が運営していたとのこと。

今考えるとよく中州に遊園地などの施設を開園できたものだと思います。現在では許可は下りないでしょう。
自分も幼少時代、すぐ近所(上堂)に住んでいたので、両親や祖母に連れられて何度か行った記憶があります。

それだけならば「幼いころの懐かしの場所を偲んで再訪門」・・・となるのだが、
あれこれネットで調べていくうち、「ケーブルカー」が存在していたことが分かったので、これは話も変わります@@!

「ケーブルカー」は山岳の急斜面などを、鋼索(ケーブル)が繋がれた車両を巻上機等で巻き上げて運転する鉄道に分類されるもの、鋼索鉄道(こうさくてつどう)とも言われます。

これは「廃線巡り」対象になるかも知れないと、今回は「鉄道考古学」の書庫に入れることにしました。

自分もそのケーブルカーに乗ったような気もするのですが、すでに40年位前のことで記憶は曖昧なのです。
ウチの母親にも念のために聞いてみたのですが、さすがに連れて行ったのは覚えているものの、ケーブルカーまでは記憶が無いとのこと・・

ケーブルカーは急斜面を行き来する乗り物なので、蛇ノ島の上堂側(北西部)の川岸は絶壁となっているので、おそらくその斜面にあったのかも知れません。

先ずはお馴染みのYahoo!地図

詳しい地図で見る
地図で見ると、プールの跡や2本の橋?が架かっているように見えました。


前置きが長くなりましたが、盛岡の真ん中での異色の「廃線探索?」をすることになりました。
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詳しい地図で見る スタート地点には何故か「大黒様」の像があったりして、どこかミステリアス。。

この左手奥が「蛇ノ島」への唯一の道。
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川岸へ下る道は結構な急坂です。
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しばらくは水溜りもあるようなダート、泥んこ道。
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そして、見えてきたのが・・・クルマがようやく1台分通れるような狭くて危なげな「橋」です。
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四国・高知県を流れる「四万十川」沿いに多く見られる「沈下橋」のようにも見えます。
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「沈下橋」は増水時に流されないよう水に沈む橋のことで、流木などがひっかかって壊れるのを防ぐため欄干がないのが特徴ですが、小さい欄干もあるようで(・・?
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橋の上からの下流に向けて眺めます。川の流れは緩やか、一応これも北上川になるのでしょう。
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こちらは上流方向。
ケーブルカーが斜面にあったとすれば、何かの遺構が見えてもいいのですが、何分草木が生茂っているので全く分かりません;
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この橋、崩れ落ちそうで怖いのですが、とにかく蛇ノ島へ上陸します。
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橋を渡って最初に目に付くのが、東北電力の大きな鉄塔。
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鉄塔があるという事は、電力会社の方も点検しに来るということですね。
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更に道は奥に続いています。
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右手はプールがあると思われる場所ですが、柵もあるし興味も無いのでパス! 今回はあくまで廃線探索。
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曲りくねった道を更に奥へと進みます。
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ほどなく進むと、見覚えのある洋館が見えてきました。
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この残されている洋館は、1911年(M44)盛岡市内丸に「日本赤十字社岩手県支部」として建てられたものを、後に移築したものだそうで、もちろん遊園地時代からあるので建物には微かな記憶もあります。
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ここで突然、何匹もの犬の鳴き声が!!
この時は人気はないものの、誰かが今でも管理(住んでいる?)との情報も。
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「蛇ノ島」は、盛岡市環境保護地区(1973年(S48)指定)で、その名の通り昭和時代まで多くの蛇(へび)が棲息していたことに由来します。
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「草木の根につながれ、大きな河の氾濫があっても決して沈まない浮島である」という伝説もあるそうです。
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厨川柵・嫗戸柵擬定地の上流に位置するので、平安時代当地で起きた前九年の役において、安倍貞任の軍船の隠し場所だったという言い伝えもあるそうです。また、この地に伝わる昔話に、蛇にまつわる「蛇ノ島弁天」があるとか、かつて南部の殿様の避暑地だったとか諸説あるようです。
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「サニーランド蛇ノ島」のシンボルマーク「太陽」を象った紋章が確認できました。
この他にも遊園地当時の残骸が今なお多くあるとのことですが、自分は廃墟マニアではないのでパス^^;
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更に続く道はご覧の通り、犬の鳴き声も止まず噛まれても嫌なので、今回は進むことは断念しました。
季節が秋から冬にかわるころには、草木も枯れ果てているので、何か発見できるかも知れません。
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結局遺構は何も発見できず心残りもあるものの、洋館がある所は現在私有地で立入禁止ということもあるので、さっさと退散してきました。
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こんな終わり方で、大変申し訳ないのですが、今回はお許し下さいませ・・<(_ _)>!!

ケーブルカーの遺構を発見したら「続編」があるかも・・・