込み上げる涙が、余りに久しぶりな感覚でした。
大人になってからの涙って静かな感じで流れていたから…。
「ラーゲリより愛を込めて」観てきました。
たくさんの感想や称賛の言葉が降り注ぐでしょうから。
私は、そこ?!と呆れられるようなポイントを書いてみます。
文書、文字が、なぜそんなに(ロシアから、為政者から)恐れられたのか?と、改めて考えてしまったんですよ。
世界の中のさまざまな事物は、属する要素があるという考え方があります。木に属するとか、火に属するとか。文書、文字は、水の要素に属するとされます。水が恐ろしく、強いのは、どんな微小な隙間でも入り込み、染み込んで行くこと。(自宅で上階からの漏水の経験が二度あるので、その点は身に染みてよくわかる)
火は燃やすものがなくなったら、終わるんですけど、水は枯れない限り終わらない。
文字も、どこまでも、伝わるものなんじゃないのかと。どこまでも伝わっていく水の恐ろしさと同様に、文字の伝わる力を、為政者は恐れたのではないかと、思いました。
ニノちゃんが演じた山本幡男さんの奥さんの名前が「モジミ」なのも、「文字」と「見」、「文字を見る人」を表すように思えて、モジミが教師という職についていたことも、映画のシーンにしても、運命的な名前だなあ、とも。
以上、そこに行く?という感想でしたが、「ラーゲリより愛を込めて」が素晴らしい映画だったという感想は、十分踏まえた上で。
