オープン前からいくつもの

高そうな花が所狭しと
飾られた。






この日ばかりは古株のスタッフ達が
集合して、ママの誕生日を盛り上げようと
お客様を動員してくれた。




6年以上のスタッフが

これだけ集まれるのも

久々なので

何か懐かしく感じる

居心地の良い

日差しの優しい空間に

自然に顔に緩みが

生まれてしまう。






本日ばかりは

シャンパンが大量に

開けられる事が

予想出来たので

全員にヘパリーゼを用意した。





この流れに勢いをつける様に

9名様のお客様がいきなり

入店してくれて

最高の舞台が

今、

幕を上げた。






主役のママといえば

キッチンも兼用でこなしているので

おすすめのメニューを作ったり

フルーツを盛り付けたりと

てんやわんやの忙しさ。






この全員参加のバタバタした雰囲気が

巨大なエネルギーとなってTOPに

注ぎ込まれ店自体が

ドクドクと脈を打って

今にも動き出しそうに 

感じた。





私は

緊張しながら

この脈打つ流れを

どうしたら

爆発させられるかを考え

ゆっくり静かに

タイミングを待っていた。





毎年お祝いに駆けつけてくれる

上野のママや

ママ推しのお客様が

次々とシャンパンを開けてくれ

ママのいつもよりきつめの化粧が

嬉しそうな顔の表情をより一層

際立たせてくれている。




同じ空間を共有している

私としては

永遠にこの瞬間が

続いてくれないかと

本気で思えた。





本当に素敵な事は

人生の後半に多く現れると

言われるが

この事なのだろう。




でも、

この瞬間にも

世界では戦争で若い命が

覚醒剤や麻薬を打たされて

殺し合っているのである。



日本の自衛隊が

海外で何をやらされているかを

考えれば


私達もいつ巻き込まれるか

わからないのが現実だと思う。


コロナで人生が一変した様に

ある事件をきっかけに

全てがリセットされる時代に

我々は生きているのである。




なんて私は恵まれているのだろう

この最高の時間を

忘れない。