田中さんに薦められて読んでみました。

数年前、ドラマ化された「ビッグマネー」を見ていたので、内容は知っていましたが、

当時よりは株式投資に関する知識が少しは増えていたので、

前よりも楽しめたかも。


wave


プータロー(死語?)だった主人公は、謎の老投資家と出会い、まったく縁がなかったはずの「マーケット」に迷い込んでいく。値動きの波を自在に渡り歩く魔術師に手ほどきを受けながら、マーケットの魅力にはまっていく主人公の気持ちの高ぶり。少しだけでも株式や為替取引なんかを経験した人であれば、心から共感できるのではないかと思います。


「マーケット」という、もともと興味のあるフィールドが舞台で、しかもちょっとした事件、スリルが絡むので最後まで楽しく読めました。が、最後のページをめくり終えた時の消化不良感・・・。これは何だ?


本を読み終わった時に、作品に対する感想が浮かばないのです。

ドラマを見ていなければ、主人公と老投資家が仕掛ける事件自体に、「こんなことができてしまうんだ~」という驚きを覚え、それがこの本の感想になったのだと思うのですが、前もって事件の内容を知っていた私には、それ以外の感想が残らなかったのだと思います。1冊の本に多くを期待する私としては、非常に残念。


ただ、本の内容についての印象は薄いものの、作者に対する印象は深まりました。この人は、ちょうど私くらいの年齢の女性をドキッとさせるいや~な言葉を知っている、と思います。