妻は毎日泣いています。
寂しくて、辛くて、
そして後悔。
元気なうちに温泉に連れていけばよかったと、
父との時間をもっと大切にすればよかったと。
泣きながら私に言ってきます。
私は、悲しんでる妻をみて泣きます。
自分の親と重ねて泣いています。
認知症の母には
病気だとわかっていても、
声を荒げていた妻。
時には「早く死ね」と言ったこともありました。
女性同士という事なのか、どうやら
父との関係とはちょっと違う母娘関係です。
毎日毎日同じことを言われると、
ストレスがたまるのも当然ですけど。
しかし、この度、認知症の母は入院することになりました。
進行すると暴力的になったりもするし、
夫が亡くなってからさらに様子がおかしくなったからです。(夫の死もわかっていません)
ちょっと隔離的な病室なんですが、
その隔離病室の全体的な雰囲気に
妻は、ためらいました。
いくら認知症とはいえ、
こんな隔離するようなところに母親を入れてしまう。
そして父の死で思った後悔が
母を可愛そうと思うようになったんです。
好きで認知症になったわけではありません。
好きで毎日毎日同じことを何度も聞いているわけでもありません。
頭ではわかっていても
現実的には優しくできなかった妻。
生きているうちに、
もっと大切にしようと、
父の死が
妻の意識を変えました。
母も高齢です。
いつか必ず訪れる親の死。
生きているうちに、
感謝と愛情を。
後悔のないように。
POPO