何を目指してるの? って言われそうだけど おかまいなしに・・・
本 「無敗の法則 ヒクソン・グレイシー」 より 抜粋
親や先生や年上の人の教えを疑わずに信じるのか、経験を重ねながら自分で正しい道を見つけるのか。
どちらかに極端に傾いてはいけないが、正直に言うと、私は人から教えられたことを鵜呑みにするべきでは
ないと思う。
そして何よりも論理的に考えられる人になるべきだ。
ただしそれは、頭が良いことととはまったく違う。 頭がよくても考えられない人もいる。
本当の頭の良さが発揮されるのは、一瞬のチャンスをとらえるときだ。
つまり、「頭の良い動きだ」というような、瞬間の利点をいかすどきである。
論理的に考える人は、頭が良いとは限らないが、分別があり、深く考えて行動している。
これは格闘技だけの話でなく誰でも当てはまる。 ビジネスマンでも主婦でも、どんな人でも同じだ。
誰もが妥協して生きている。 責任を負い、目標を持って生きている。
だから、戦略と計画を立てなくてはならない。 だいたいの状況は分かっているし、人生に別の面があることも
知っている。 そんなときこそ、論理的に考えて正しい道を選ばなくてはならない。
どんなときにも注意をおこたらず、自分の周りで何が起こっているのかを知っておくべきなのだ。
柔術を深く理解する目。 誰も知らなかった視点を、私は長年かけて、人々に教えられるように磨き上げ
、多くの人に伝えてきた。
技術さえあればどれだけ強くなれるかということに、人々は驚く。
目に見えない技術を知ることは、見えない何かを読み取ることとは違う。
目に見えないほどの細かい違いを学ぶことだ。
それが分かれば、今まで知らなかった感覚をつかむことができるし、動きの効果はまったく違ってくるだろう。
力やスピードに頼っていた動きとの違いを実際につかんでもらい、技術を使った動きを教える。
わずか1インチほどしか違わなくても、その1インチが、多くの動きをまったく違うものに変える。
戦略とは、勝利を目指す計画の方向性だ。
戦略とは、進め方を細かく決めてしまうことではない。
無の状態は、私にとってリラックスしているのとは違って、むしろ感覚が鋭くなる。
そもそも私は、いつもリラックスしているから、それを心がける必要はない。
緊張すると必ずストレスを感じる人も多いだろうが、私はストレス自体を感じないのだ。
私には、できることと、やらなければならないことと、解決できないことがあるだけなのだ。
すべてをありのままに認める。 できることをやるしかない。 できなければ、受け入れるしかない。
好奇心とは、自分の脳が求める知識について、表面的に知りたいと思うことだ。
深く知れば知るほど、単なる好奇心とは違うものになっていく。
好奇心が強いだけの人は、物事の表面だけしか見ていない。 まるで子供のようだ。
しかし、好奇心から一歩踏み出せば、もっと詳しくなれる。
好奇心は単なる足がかりだ。
そこから先へ進むには、もっと深く関わらなくてならない。
それほどの知性があるならば、もっと使えばいいし、それほどの創造力があれば、もっと使えばいい。
完璧でないなら、続けなくてはならない。
基本の動きを練習し、体の特徴を生かして柔軟に動けるようになるだけで、自分の身を守ることができる。
うまく体が使えるようになって、動きや反動のバランスの感覚をつかんだら、どこでミスをしたかもわかる
ようになる。 まるで肉体のチェスだ。
体のメカニズムや敵を跳ね返す力を知れば、柔術がますますおもしろくなる。
そんな体を使った興味の尽きない活動が柔術なのだ。
感覚を磨き、自分を捧げ、人として正しい行動を選び、深く物事を見つめること。
状況を把握し、正しい戦略を立てること。
欲しいものを手に入れて、自分で運命を切り開くこと。
幸運をあてにせず、自分のものは自分で取に行くこと。
人は生まれた瞬間から、自分の思いどおりにはならない。 競争の連続だ。
競争に勝つためには、自分の強みを知り、世の中を理解する能力を身につけること。
勝利とは心のありかただ。