10年程前に近畿各地の雲海撮影に集中していた頃の事ですが『花筏を撮影に行った事はありますか』と雲海撮影でよくお会いする方から尋ねられた事がありました。

 

当時は花の撮影には余り興味がなかったので『行った事はありません』とお答えしたところ花筏は撮るよりも出合う事の方が難しいのですが、上手く出会えると面白い撮影ができるので機会があれば一度行って見られたらどうですかと云われた事がありました。

 

以来、花筏についてネットで色々調べている中で『佐中の千年家』の花筏についての書き込みを見つける事ができました。

 

  『佐中の千年家』の花筏 

 

 

 

2014年4月16日の事でした。

この春最後の雲海撮影で但馬方面に出掛けた帰りに佐中の千年家の下見に立ち寄りました。

 

播但自動車道の朝来ICから6.6km約13分程の佐中川の上流にある小さな集落に一際目立って大きな茅葺屋根の古民家がその撮影地で池はその横にありました。

 

今は些か古色然としていますが往年にはさぞや立派な家屋であったと思われるどっしりとした佇まいをしています。

 

 

これがその時撮影したものですが、

 

 

 

 

桜は折しも満開を些か過ぎて散り始めたばかりでありました。

 

この池で花筏が見られるのであればもう4~5日先の事になるのではと考えて池の周囲を観察して池に流れ込む用水路と排水路を確認してその日は帰宅する事にしました。

 

 

4月20日雨の中を車を飛ばして夜明け前に現地に到着した処既に周囲の道路には車が数台停まっていました。

 

池の様子は前回下見の時とは異なり雨の為に池の水位も高くなり水面には散り桜が一面に散り敷いていて、私は直ちに撮影の準備を整え前回の下見で確認をしていた池への水の流れ込み付近に三脚にカメラをセットして池の水が動き始めるのを待ちました。

 

暫らくすると、この池の常連らしき男性が池と千年家との間を流れる細い用水路の流れを遮断して池の取水口に流れ込む流水を多くする様に細工をすると今迄静止していた池の水面が俄かに動き始めました。

 

池の周囲を取り巻いていた多くのカメラマンが一斉に撮影を開始し騒然とした雰囲気の中で夢中で撮影したのがこれらの作品です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、何度か撮影に出掛けましたがこの時の様な素晴らしい花筏に出合った事はありません。

 

この時は、前日に結構強い雨風があって集落の殆んどの桜が散り果てて池の横を流れる用水に乗って取水口から花びらも池に流れ込む最高の条件が揃っていた事が判りました。

その後何度か出掛けた事がありますが池に一面の散り桜の花びらは浮かんでいても水が全く動かず用水路の水を遮蔽して取水口に水を多く流そうとしても用水路の水量が殆んどなくて池への水の注入ができず諦めた事もありました。

 

大小いくつもの渦ができる程水面が動くには花びらだけではなく流入する水量が多くなる雨の後と云う条件が揃う事が綺麗な花筏が見られる重要な要件である事が判りました。

 

私は2回目の撮影で幸運に恵まれてラッキーでした。

 

千年家の花筏を撮影したネットの写真では池の中の小さな島に板の橋が架かっているのがありましたが、私が行った時には既に橋は朽ち果ててご覧の様な姿になっていましたがそれから数年して出掛けた時には既にその面影もすっかりなくなっていました。

 

 

 

 

余談ですが、ここにお出掛けになられる時は撮影地の佐中の千年家の少し手前に

 

                佐中の銘水

 

と云われている場所がありまして、給水設備まで整っていますので是非お立ち寄りください。

私は行くときはポリタンクを持って行って必ず汲んで帰って水割りに使います。(Ww)

 

道路脇にあるので直ぐに判ります。

 

この川は初夏には源氏ボタルが乱舞する蛍の里としても知られているそうです。

 

又、佐中に向かう途中の国道429号線との分岐点を右折せずに直進すると産業遺産として当時の面影を留めている神子畑選鉱場跡がありその近くには巨大な大銀杏を見る事も出来ます。

いずれも一見の価値はあると思います。

 

 

 

生野銀山経由で山越えで帰宅する途中の312号線沿いの道路脇で見つけたものですが

 

 

池の様な処に睡蓮の葉が一面に広がる水面に散り敷いた桜の花びらが沢山浮いているのを見つけたのですが水量が少ないためにイメージ通りの花筏にならずチョット残念な結果になりましたが、いつかいい絵が撮れればと思っています。

 

 

生野銀山近くの429号線の道路脇で見つけた面白い形状の岩と滝と桜のコラボです。

 


 

桜の季節が近づいて来ましたので何とかそれまでにお役に立てる情報ににでもなればと思っていたので間に合ってよかったと思っています。

 

花粉症が最悪でPCに集中できないので勝手ながらチョット休憩と致します。(笑い ! )

 

 

 

 

次回は少し気が早いかもしれませんが源氏ボタルの乱舞する川をご紹介致します。