母が私に語っていたことは
何の前触れも無く出て行ったとだけ、
その日から数日後、
後を追うように父も家を出た、
これには、取り合えず理由があったようだ、
姉が心配だからと母に言い残し出て行った。
私はこの出来事で暗い闇の中に落ちていくことになる、
18歳という歳も微妙だ、
分かったようなことを言い、
分かったような態度は取りつつも、
何か起こると免疫がない。
といっても私の場合は,
幼い頃から両親のことでは
何かと傷つけられてきていたので
この出来事が更に気持ちを凍らせていった。
姉が家を出たとき父に、
母の父への態度が我慢できない、
そう言い残していたようだ、
そして父は姉の様子が心配なので共に暮らす、
そんなことだった。
そのころ、毎日のように家の店に通っていた裏のアパートに住む夫婦がいた。
姉は歳も近かったこともあって
その奥さんを姉のように慕っていたようで、
家を出ることは相談を受けていたと聞かされた、
ここでの話は、
姉には思っている人がいて、
その人が会社の事情で本社に転勤になるので、
一緒に行きたがっていたと言うものだった。