その夏、私は暗い気持ちを引きずり、
伊豆の旅館の経営する海の家でアルバイトをすることにした。
家から離れ、違う世界の人間たちに知り合い
側面では、しっかりした青年を演じていたが、
とても家のごたごたから、頭を切り離すことは出来なかった、
ただ、ここで知り合った青年たちは、心のある、
そして,やはり苦学生だったが
明るい思いやりのある青年、
毎日遊びに来る地元の漁師、
其処での生活は本当に満足だった、
だが、毎日必ず、自分ひとりの時間を作っていた気がする。
青春を謳歌する反面、どこか物憂げな青年でもあった、
二ヶ月近くの海での生活を終え帰宅してみると、
母は一人で待っていた、
幾分落ち着きを取り戻し留守中の様子など話してきて、
父と姉の生活は姉がアパートを出ることで終わったと言うもので、
理由は恋人を追いかけていったのだと言う、
私は、
結局父は姉に利用されたのだと解釈した。
この結果私たち家族は崩壊したと言うことだ。
この後、母は父に離婚を申し入れることとなった。