座布団 | ちらかっておりますが・・・。

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久し振りにバスで通勤しました。

バス停は徒歩3分の国道沿いにあります。

地面に固定された4人掛けのベンチの上に,

雨避けの屋根が付いただけの,よくある小さなバス停です。

前日までのよくあるバス停が,今朝は違っていました。

プラスチック製の4つの椅子の上に,

場違いな4つの大きな座布団が敷いてあったのです。

昔の家によくある,4隅にピラピラ糸の房がついた,

渋い色の普段は使わないお客様用のやつです。

新品ではなく,あちらこちらにシミや虫食い穴があります。


私はずり落ちそうに置かれた座布団の前に仁王立ちになり,

誰に言うともなく呟きました。


「だれ?こんな物置いたのはDASH!

まさか寄付したつもりじゃないんでしょうね?

誰が使ってたのかも分からない汚い座布団なんて,誰が座るのよ!

雨が降ったらどうするのよ!

風で飛ばされたらどうするのよ!

雨を含んで重たくなった古座布団,想像した?

汚い汁を滴らせている虫食い座布団,想像した?

ベンチに座りたいお婆さんが,汚い汁を滴らせている重たい座布団を,

一生懸命重ねて座る場所を作っている姿,想像した?

国道を走る車が,風に飛ばされた座布団を巻き込む場面,想像した?」


プワーーッ!


私が乗るバスが『乗るの?乗らないの?』の

クラクションを鳴らしながら近付いてきましたバス


私はバスの方に視線を向け,ゆっくりと頷きました。

そして座布団に向けた眼差しのまま,バスに乗り込みました。

椅子に座るとますます怒りが込み上げてきました。


『不法投棄よりタチが悪いよ。

不法投棄は悪いと解っててやるんだけど,

あの座布団はそれさえも偽善で誤魔化そうとしているのよ。

誰よ!

誰が置いたのよ!

若い人じゃないはずよ!

50はとうに越している人がしそうなことよ!

誰よ!

見付けたらタダじゃおかないからね!』


運転手さんの上の鏡に私の顔の上半分が写っていました。

目が鬼のように攣り上がっていました。