原子力規制委員会は、高浜原発1・2号機に続き、美浜原発3号機についても、40年を超えた運転を認める認可を本日出されました。
福島第一原発事故の教訓から法制化された「原発の運転期間40年」という原則は早くも形骸化し、厳格であるべき法的手続きも、期限が優先され軽視されています。 地震列島の日本で原発を稼働することの危険性は言うまでもありません。ましてや40年以上前の古い設計で造られ、取り替えできない圧力容器や電気ケーブル等が劣化した老朽原発の寿命延長は、あまりに無謀です。
さらに、この半年余りの間にも、原発の安全性を揺るがす新たな問題が次々と指摘されています。 熊本地震では、原発震災が起きた場合、避難手段やルートの確保は難しく、屋内退避も非現実的であることが証明されました。 そして、耐震安全性については、繰り返しの強震動による原発機器への影響が考慮されていないこと、基準地震動の算定に採用している計算式では著しい過小評価になること等も明らかになりました。 また、福井県や京都府で行われた重大事故を想定した防災訓練は、福島原発事故 を省みることもなく、リアリティに欠けたものでした。原発災害対策の困難さ、行政の能力の限界が浮き彫りになりました。
フランスで発覚した日本鋳鍛鋼(株)製の原子炉圧力容器や蒸気発生器といった安全上非常に重要な機器の部材の強度不足の問題についても、日本では実機の検査をしないまま稼働が許されています。 こうした多くの問題を抱えながら、関西電力は会社の利益を優先し、老朽原発にムチ打つ計画なのです。
ひとたび原発の大事故が起きれば、拡散した放射能が容赦なく大地や海に降り注ぎます。被ばくによる健康被害の問題だけでなく、人々の暮らしや人生さえも奪ってしまうのです。私たちはそのことを福島で起きている現実や避難を余儀なくされた方の体験からも学びました。
若狭の原発で事故が起きれば、風下地域である中京圏は計り知れない被害を被るでしょう。この地息でと続いてきた人々の営みや歴史・文化も失われます。
何より関西圏1400万人の命の水源である琵琶湖・木曽三川(木曽川・揖斐川・長良川)が放射能で汚染されたら、代わりになるものはありません。
福島原発事故の悲劇を繰り返さないためにも、私たちはまず、極めて危険な老朽炉である美浜原発3号機の運転期間延長認可を中止し、高浜原発1・2号機とともに廃炉にすることを求めます。
そして、「40年ルール」の例外を一機たりとも許さず、一日も早く脱原発社会を実現することを強く求めます。
2016年11月16日
「40年老朽原発廃炉・名古屋行政訴訟を支える市民の会 有志一同