「ぴんくりんく6月号」より
昭和文化の一つ、ピンク映画とストリップ。どちらも劇場が激減し、一説には東京五輪の開催でとどめか!? との噂も。その予兆を実感するのは、消滅寸前の蝋燭が一瞬燃え上がるような、そんな現象をいま垣間見るからだ。ピンク映画では本編から来た榊英雄監督や、自主映画出身の山内大輔監督が熱く燃えている。ストリップでは、何故か最近若い女性客が増えている。それもあって、引退記念に浅草ロック座に立つAV嬢もいる。
一見賑わいを盛り返したように感じられなくもない。が、舞台で研鑽を積み、ショーを輝かせる小室りりか嬢のような踊り子や、ピンクの現場で汗を流しデビューした才能がピンク映画を活性化させた時とは、いずれもベクトルが逆のように思われる。我々が、日本映画の未来を感じて、ピンク映画のズームアップ映画祭を始めた時の熱気とは、明らかに異なる熱気であり、盛り上がりと感じるのだ。最後のヤケクソ的盛り上がりか。
いつまでも有ると思うなピンク映画と映画館。見れる時に見ておけ。といって、遠ざかる昭和をただ惜しみ、懐古してもしょうがない。失われゆく文化のスピリッツは固持して、平成の文化、21世紀に相応しいスタイルとして生き残らなければならない。その為には、やはり温故知新。昔のピンク映画を今の若い人の眼で見て欲しいのだ。それも、とりわけ女性の感性で。
いにしえのピンク映画の風情ただよう「色道四十八手 たからぶね」。そのオリジンである渡辺護監督の、ピンク映画の模範とも言うべき旧作の併映は、いままでピンク映画を知らなかった人たちにとっても、絶好の入門編となるはず。「たからぶね」は海外の映画祭でも評判が高く、浮世絵、春画が評価されたように絶賛されている。そのピンク映画を、当の日本人が見ていないんじゃ、これはヤバイ。
今回のイベント上映は、往年の映画界を彷彿させる二本立て上映だ。まぁピンク映画は三本立てだったが、どんな短い映画でも必ず途中に休憩が入り、劇場併設のバールでエスプレッソやグラッパを嗜んだ昔のイタリアの映画館を真似て、豊劇のカフェバーで一杯もオツなもの。そう、昭和の豊岡遺産だった豊劇を、平成にイノベーションした新生豊劇は、まさにこのイベントにうってつけである。生まれ変われピンク映画。ワープせよエロスの女神。いまこそ乗り込め“豊劇たからぶね”に!
文:塩田時敏
塩田 時敏(しおた ときとし)……
映画評論家/豊岡劇場・最高顧問
北海道出身。伝説のピンク映画情報月刊誌「ZOOM-UP SELF(ズームアップ セルフ)」(セルフ出版/白夜書房)の元編集者。(1981年5月号・終刊) 現在のピンク大賞の源流であるピンク映画を対象にしたイベント「ズームアップ映画祭」('79~'88年)を主催。
「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」創立時よりプログラミング・デザイナーとして各国映画祭を回る。
著書に「プロが選んだはじめてのホラー映画」(近代映画社)、「世界のファンタスティック映画祭」(近代映画社)等。
三池崇史監督『DEAD OR ALIVE 犯罪者』、『カタクリ家の幸福』、『妖怪大戦争』、『漂流街』などに役者として出演。
映画だけではなくストリップ・アートについても造詣が深い。
昭和文化の一つ、ピンク映画とストリップ。どちらも劇場が激減し、一説には東京五輪の開催でとどめか!? との噂も。その予兆を実感するのは、消滅寸前の蝋燭が一瞬燃え上がるような、そんな現象をいま垣間見るからだ。ピンク映画では本編から来た榊英雄監督や、自主映画出身の山内大輔監督が熱く燃えている。ストリップでは、何故か最近若い女性客が増えている。それもあって、引退記念に浅草ロック座に立つAV嬢もいる。
一見賑わいを盛り返したように感じられなくもない。が、舞台で研鑽を積み、ショーを輝かせる小室りりか嬢のような踊り子や、ピンクの現場で汗を流しデビューした才能がピンク映画を活性化させた時とは、いずれもベクトルが逆のように思われる。我々が、日本映画の未来を感じて、ピンク映画のズームアップ映画祭を始めた時の熱気とは、明らかに異なる熱気であり、盛り上がりと感じるのだ。最後のヤケクソ的盛り上がりか。
いつまでも有ると思うなピンク映画と映画館。見れる時に見ておけ。といって、遠ざかる昭和をただ惜しみ、懐古してもしょうがない。失われゆく文化のスピリッツは固持して、平成の文化、21世紀に相応しいスタイルとして生き残らなければならない。その為には、やはり温故知新。昔のピンク映画を今の若い人の眼で見て欲しいのだ。それも、とりわけ女性の感性で。
いにしえのピンク映画の風情ただよう「色道四十八手 たからぶね」。そのオリジンである渡辺護監督の、ピンク映画の模範とも言うべき旧作の併映は、いままでピンク映画を知らなかった人たちにとっても、絶好の入門編となるはず。「たからぶね」は海外の映画祭でも評判が高く、浮世絵、春画が評価されたように絶賛されている。そのピンク映画を、当の日本人が見ていないんじゃ、これはヤバイ。
今回のイベント上映は、往年の映画界を彷彿させる二本立て上映だ。まぁピンク映画は三本立てだったが、どんな短い映画でも必ず途中に休憩が入り、劇場併設のバールでエスプレッソやグラッパを嗜んだ昔のイタリアの映画館を真似て、豊劇のカフェバーで一杯もオツなもの。そう、昭和の豊岡遺産だった豊劇を、平成にイノベーションした新生豊劇は、まさにこのイベントにうってつけである。生まれ変われピンク映画。ワープせよエロスの女神。いまこそ乗り込め“豊劇たからぶね”に!
文:塩田時敏
塩田 時敏(しおた ときとし)……
映画評論家/豊岡劇場・最高顧問
北海道出身。伝説のピンク映画情報月刊誌「ZOOM-UP SELF(ズームアップ セルフ)」(セルフ出版/白夜書房)の元編集者。(1981年5月号・終刊) 現在のピンク大賞の源流であるピンク映画を対象にしたイベント「ズームアップ映画祭」('79~'88年)を主催。
「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」創立時よりプログラミング・デザイナーとして各国映画祭を回る。
著書に「プロが選んだはじめてのホラー映画」(近代映画社)、「世界のファンタスティック映画祭」(近代映画社)等。
三池崇史監督『DEAD OR ALIVE 犯罪者』、『カタクリ家の幸福』、『妖怪大戦争』、『漂流街』などに役者として出演。
映画だけではなくストリップ・アートについても造詣が深い。