吉田麻起子の東魂★マキアージュ泥舟公演日記



東魂★マキアージュ第1回公演

「女が、全然ダメ」


無事に全日程終了いたしました。


ご来場、まことに有難うございました。



以下超長文のご挨拶がてらのブログを、お暇な際、休み休みご覧ください。




吉田麻起子の東魂★マキアージュ泥舟公演日記



「女が、全然ダメ」というタイトルの割に、

チラシ裏には「タフでキュートなハートフル感動ドラマです」と宣伝した今回の処女公演。



最終稽古を終え、小屋入りの際には、わたしとしましても小池としましても、

すべてに納得のいった、登場人物全てに生きてる実感のある、大事な作品になっていました。


そしてチラシに書いたことは、本番で全部具体化された、そういう舞台になったと完全に自信を持って思っております。


昨年から台本を書き始め、没にした台本は書ききれなかったものも含めると11本です。


これが多いか少ないか分かりませんが、あの時期は脳内エチュード1000本ノック状態といいますか、貴重な体験でした。


小池に指摘を受けながらも、最終的にあの2つの物語に関してはわたしの独断で決定させて頂きました。

決定してからは実にのびのびやらせて頂きました。

小池には劇団とはまたちがう迷惑をかけ、迷惑を受け、助けてもらいながら反抗しあうという、実に楽しく、

今までとは違った関係を作れたと思っています。




初めての公演ということもあり、お客様も「面白いに決まってるわ!」などと断定的にならず


「正直どうなんだろう。」「面白いんだろうか。」「失敗するかもしれない。」

様々な不安を抱えて、「劇」小劇場までいらっしゃったんじゃないでしょうか。


本当に、こんなにたくさんの演劇が大、中、小行われている東京で、私どもの芝居を選んで、見てくださって、

本当にありがとうございました。


おかげ様で、公演が終盤になるにつれてグラデーションのように、売り上げも伸び、役者も毎回お客様の反応に励まされ、次回のお客様にその元気をリレー出来ていたように思います。



文字通り、身銭を切って公演に臨んでいたわたしにとって、本当にありがたく、勇気づけられました。

まずはこの場にて、皆様に感謝とお礼を申し上げたいと思います。本当に有難うございました。



【ご意見・ご感想】


又、

「全然ダメと聞いていたのに、2つとも最後救いがあって、拍子抜けした。」

「激しいセックスシーンがあるか、だれか脱ぐと思っていた。何もなかった。」

実際に耳にしたご意見です。


わたしの企画意図として

タフでキュートなハートフル感動ドラマですから救いをご用意しました。

「セックスアピールを放棄」とチラシで明記した通り、セックスシーンはやる気がありませんでした。

どんな形であっても女子が脱いだら笑えない。



金をもらって暗い救いのない話をやらない。

これがわたしの身上です。

だから、そのご意見はわたしにたいして、実に正しい、的を射たご意見だと思っています。

もっと、色んなご感想もあるかと思います。

今後の参考にさせて頂きます。有難うございました!



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【どうでもいいはなし】



どうでもいい裏話ですが、台本を書いている際に俳優にだけわかるように、1つ1つの作品に定価をつけていました。


お客様からお金をもらうんだ、という事を真面目に考えた結果、漠然と3000円分というより、1つ1つに単価を

つけて、単価に見合った作品にすることを考えた方が、皆わかりやすいかなあと思ったんですね。


ちなみに河野くんのゆるいつなぎのMC、あれが200円です。

本人は


「今日は5円の価値にもならなかったわ、どうしよう。」


と、よく泣いていました。


「大丈夫だよ、2幕でよりこが1000円分稼いでたよ!」


とか、そういうくだらないことを言っていました。



本当のことは、本当に3000円をあの芝居に払ってくださった、皆様の胸の中にしかないと思います。

でもそうやって、皆さんに歩み寄りたかったという気持ちは、ご理解ください。





【メンバーのはなし】


今回の公演に携わったキャスト陣は、劇団員含め皆にわたしが声をかけました。


客演の三村聡さん、山口奈緒子さんもそうです。


三村さんは当時まだ共演したこともなく、なぜ引き受けてくれたか聞いたら


「なんだかわからないけどマキロンの勢いがすごいから、勘でやってみようって思った。」


と、勘で出演をOKしてくださいました。


…いまどきそんなパンクな出演の承諾してくださる方はいないと思います。

本当にべたべた触りまくって、すみませんでした。


見に来た友人が

「あんたの三村さんへの妄想がよくわかった。」と言っていました。

恥ずかしいです。でもこの商売は恥かいたことが自信になるから不思議です。

1月の別の公演でも共演しており、

吉田の呪縛から解き放たれた素晴らしい春を満喫くださいますよう心から祈っています。



山口奈緒子さん(まぐ)は、5年ほど前に2回共演しています。


吉田麻起子の東魂★マキアージュ泥舟公演日記


(意外と、すごくたくさん食べるまぐ。↑肉うま煮定食をぺろりと召しあがった。)


企画書も出来ていない段階で、スケジュールから聞こうと思い電話した際、すぐに


「出ます!出ます、出ます!」



と、二つ返事で引き受けてくれのですが、わたしも先輩なので


「企画書も読まないうちに出演承諾するなんて、危ない行為だよ。失敗するかもよ!」


と、オファーしてる側なのに、なんだかよくわからない忠告をした事をよく覚えています。



こうして振り返ってみると、お二人とも愛情と勘で引き受けてくれてるのがわかります。

最高に感謝しています。


その他劇団メンバー、スタッフさんも、小池さんも、愛情と今までのつながりで動いて下さった、そう思います。



つじーはクレバーだ。本当にあいつは今間違いなく看板女優だ、うちの。そう思う。脅威に感じるよりも信じられるというところが大きかったです。ありがとう、つじー。


あの大活躍の河野くん。いっぱい無理させてごめん。

「河野くん好きです」、と女子のお客様からのアンケートをよく読んだわ。多分男子としてではないけども。


皆、わたしの公演なんて初めてで、しかも本なんて今まで書いたことがないに等しいわけですから(若手公演1本書いただけです。)さぞかし不安だったことでしょう。



今回わたしは先輩にも後輩にも本当に感謝してます。


先輩をいつまでも先輩と思えた。後輩が可愛かった。


良い現場にしてくれたのは皆が良い現場を求めて頑張ったからだと思います。




【うれしいはなし】

わたしの尊敬して大好きな作演出家の御大、Y氏とM氏が


「女性の書く本で面白いと思ったことがなかった。本当に面白かった。また書いたらどうですか。」

「露悪的にならず、前向きで救いがあってよかった。役者が楽しそうで、それも良かった。俺は2幕が最高。」


と仰ってくださった。

これ、皆に言ってもらえた言葉だと思います。

皆、とりあえず喜ぶべし。

反省もあとからするべし。




【こんごのおはなしとおわりのはなし】



今後マキアージュはまた皆さんの前に現れるのでしょうか。

…正直まだわかりません。


でも、その時もこの気持ちを忘れずにいたいと思います。


私の中にあふれる情念が前向きに放出されたくなった時が

またマキアージュをやるときだと思います。


情念も溜まらなければ放出できません。


わたしは蓄えの為、しばし冬眠いたします。






・・・イヤッホー!!!



冬眠うれしい。






それでは皆様、また逢う日までお元気で。

素敵な春をお過ごしください。


お元気で。










ばらしの貴子さんとつじー。

つわものどもが、夢のあと。

吉田麻起子の東魂★マキアージュ泥舟公演日記


意外にチアを恥ずかしがるよりちゃんと

それを励ますまぐ。



吉田麻起子の東魂★マキアージュ泥舟公演日記


ありがとうございました、皆様に感謝します。


このブログはもうさようならです。

今まで読んでくださって本当に有難うございました。


皆さん、それでは、さようなら。




東魂★マキアージュ主宰・作   吉田麻起子