「別の人の夢」


嘘ばかりが並ぶ電話で
得られるものはなんでしょう
泣き腫らした目が重たくて
ぐっすりと眠った
見た夢は全て
君とは別の人の夢





久しぶりに泣きました


除草剤がきらいなことは
以前こちらで書きました↓


その後も
オットが気にしていたのは
初めだけで


私が何も言わないでいると
オットの除草剤の使用量は
どんどん増えていきました


犬や猫や幼児が
食べてしまう可能性がある細粒ではなく
液体だったし


なんだかもう話をするのも
疲れてしまって
私は口を閉ざしました


すると
100均で買物中
電話で「何か買う?」と
聞いた時にも
オットは
「除草剤のでっかいやつ」と
言うようになり


もはや
なんの躊躇いもありませんでした


少し話は逸れますが


先日
散歩中に
なぜか心惹かれる双葉を
河原で見つけて
娘と持ち帰って
育ててみることにしました


土が違っても元気よく伸び
ツルが隣の木にまで這い始めました
朝顔とヘチマの中間のような
今まで見たことのない植物


花が咲くのか
どんな花なのか
実はなるのか
娘と心待ちに
毎日観察していました


夫にも
植物の前で
そのいきさつを話しました


それから1週間と少し経って
そのツルが
隣の木に触れる直前のところで
切られていました


風でふっとんだり
虫に噛み切られた感じではなく


鋭利な刃物で斬られた切り口でした


まさかと思い
夫に聞くと
「隣の木まで伸びたから 切った」
とのこと


信じられませんでした


夫はショックを受けている私と娘に
謝ってはくれましたが
「なぜそんなに怒るのか?」
と不思議がっていました


その少し前には
私のソケイジャスミンが
何の断りもなく
1枚の葉っぱも残さず
刈られていました



夏に咲くジャスミン
今年は花芽をつけることは
無いでしょう


ハートツリーも
バッサリ切られてしまいました
友人にあげる予定だった
別株は根元から切られ
たぶん死んでしまうでしょう


「盆栽みたいに切っといた」
と笑顔で言われて


さすがに
「これでは花芽も付かないし
切り過ぎだと思う
相談してくれてもよかったのでは?」
と訴えていました


それからまだ数週間


私と娘の植物を
躊躇いもなく切ったオット


それでも私は
ふつふつとした怒りを抑えて
冷静に
もう一度「お願い」しました
「切るときは相談して欲しい」と


気を取り直して
毎年アサガオを植えているプランターに
種を撒こうと思って


そのプランターを見ると
生えていた雑草が
不自然に枯れていました


夏草の伸び盛りなこの季節に
なぜそうなったのか?


その結論に達した時
感情が制御不能になりました


オットが
私のプランターの中まで
除草剤をまいたのです


確かに雑草は生えていたかもしれない


だけど……
その土の中には
毎年花を咲かせていた
ピンクのダリアの球根もあった


きっとそれも死んでしまった
この土も死んでしまった


雑草が邪魔だから
除草剤をまけばいい
それがプランターの中でも


その短絡的な考えが
信じられず


理解ができなくて
混乱しました


オットに
「除草剤をプランターの中にまいたか」
を聞いて
「まいた……かな?
うん まいた」
とオットにとっては
記憶にも残らないほどの
些細なことだったと知り


気づくと
涙が溢れました


毎年楽しみにしていたジャスミンの花
ハートツリーもちんちくりん
娘と観察しようとしていた植物もバッサリ


さらに
プランターだったので
ショックでたまりませんでした


植物のことだけでなく


オットとの価値観の違い


違っていても
1度目の話でわかってくれていると
思っていたのに
除草剤のことも
勝手に切られることも


私は悲しいのだと


なにもわかっていてくれなかった


そのことが
悲しくて
くやしくて


涙が止まりませんでした


しばらくして
「ごめん」とやって来たオットに


「悪意が無いのもわかってる
だけど
何もわかってくれていなかったのが
悲しい」
と説明しました


価値観の違い
歩み寄りで解決できるでしょうか


その日は
近場に出かける予定だったのですが
そんな気分にはなれず


子どもとオットだけで
行ってもらいました


大人げないとは思いつつ


でも感情を剥き出しにせず
冷静に淡々と
悲しさを伝えられた


それだけでも
自分を褒めよう


そう思いながら
ベランダのミニトマトの
脇芽をつみ
支柱をつけて


呼吸を整えました


葉っぱから香る
夏らしい
生命力のかたまりのような
トマトの匂いに


救われた気がしました



雨の被害に遭われた方々に
心よりお見舞い申し上げます