「last day of June」


last day of June 


全てを見たって見せたって
落ち着くわけなど無いでしょう


途切れない音が
街に流れ
闇は消え
世界から失われた
last day of June 


雨降り
遊びを捨てた小さな星屑は
甘美の川に流された


6月最後の日
いつもと変わらず
雨は降り注ぐ


誰もあなたの人生を
フイにすることなんて出来ない


last day of June 




新しい職場への通勤路
雨が降った次の日


道路にたくさんの
絹糸のような
桃色の花が落ちていて


ネムノキがあることに気づきました


ネムノキは漢字で書くと
「合歓の木」
合歓とは
仲良く寄り添う
夫婦を表した言葉だそうで


夜に葉を合わせて閉じる様子が
夫婦が仲良く眠るように
見えることから
当てられた漢字だそうです


なかなか素敵


ひたすら急ぐ通勤路でも
好きな花があると
心が和みます


一瞬だけ
これから始まる仕事のことを
忘れて 歩みを止めて


空を背景に
咲き誇る花を見る


曇りの日は白いキャンバス
晴れなら青いキャンバス


そんな時間が
生きていく中で
豊かさになるのではないか


そう思います


(だからあと5分
早く家を出ればいいんですけどね……
朝の5分短縮は
至難の技です)


そういえば
以前紹介した
我が家のオジギソウも
ネムノキの親戚だそうです


冬の寒さにやられて
完全に枯れてしまい
悲しさの中
茶色になった茎を
ゴミ袋に入れたのですが


なんと!
その後しばらくして
ふと見ると
気づかずに落ちていた種が
発芽していました


双葉ではオジギソウだと
わからなかったので
思わず抜くところでした


ズボラでよかった……




双葉から伸びた葉は
とても小さくて可愛いけど
オジギソウそのもので
触ると閉じて
夜も葉を重ねて眠ります


それを見るたびに
生きているんだなぁと
愛おしくなります


みんな必死で生きている
植物も
人間も


身近な方が
コロナの影響で
うつになってしまいました


家の中にいることがつらく
何度もお散歩に出ないと
苦しくなってしまうそうです


コロナの閉塞感が
そうさせてしまったのでしょう


どうか
その方が1日も早く
平安と心からの笑顔を
取り戻されますように
祈るばかりです