命とはかくも儚いものか | ダカールな日々

ダカールな日々

徒然なるままに不定期に気が向いたら更新します。競馬やダビスタの話題が多いですが、稀に別の話題にも触れます。

皆さん、お久し振りです。

競馬が好きな方であれば、もうご存知と思います。
4月6日の阪神競馬7レースで落馬した藤岡康太騎手が、治療の甲斐なく10日の午後7時49分、息を引き取りました。

一番聞きたくない知らせでした。
(どうか生きていてくれ。)
そうずっと思っていました。しかし叶いませんでした。

その後にパトロールビデオを見て、落馬した時の状況がわかりました。
残り3Fを迎える3〜4コーナーで前を射程圏に捉えようとして上がっていこうとした時に前の馬に接触し、それにより騎乗馬のスウィートスカーが躓き落馬。直後にすぐ後ろを走っていた⑪ヤエベニシダレに頭部を踏まれた(蹴られた)、というのが今回の落馬事故の状況です。
落ちた際には背中からだったので、そこまで深刻な状況ではなかったかもしれませんが、やはり頭部を踏まれた(蹴られた)というのが致命傷になったと思われます。スポーツにタラレバは禁物と言いますが、やはり頭部に外傷が無ければと思うと、本当に残念でなりません。

デビュー3年目にNHKマイルカップをジョーカプチーノで勝利しG I初制覇。その後は病気やケガに見舞われ決して順風満帆とは言えませんでしたが、腐る事なく自らの技術向上に勤しんできました。そして迎えた昨年のマイルチャンピオンシップ。⑯ナミュールに騎乗予定だったライアン・ムーア騎手の落馬負傷によりチャンスは巡って来ました。急遽の代打騎乗という難しい状況でしたが、日頃から調教を付けていた事もあり長所を最大限に引き出す事のみを考えて騎乗し、自身14年振り2度目のG I制覇を飾りました。


2024年も順調に勝ち星を伸ばし、過去最高の成績を挙げ、今後の飛躍が期待されていた矢先の出来事でした。



この事故が2004年の竹本貴志騎手の事故以来20年振り、平成以降では4件目の落馬死亡事故、G I勝利騎手に限れば1993年の岡潤一郎騎手の事故以来となります。



我々競馬ファンは戯言のように「全人馬無事でありますように」と言ってますが、それは実は非常に尊い事なのだという事がこの度理解できました。騎手の皆さんは皆一様にそれを実践しようと一所懸命に努力しているのです。わかっているつもりでしたが、全くわかっていませんでした。

この度の落馬事故で何より辛い思いをしているのは、やはり家族であり、近しい関係者の皆さんです。兄である藤岡佑介騎手は13日の1レース終了後に残したコメントで思ったより受け入れるのが早かったと仰っていましたが、実のところはそうではないと思います。そうは言っても実の弟です。他の誰より悲しいでしょうし、寂しいでしょう。とは言え悲しんでばかりもいられません。それを康太騎手本人もきっと望んではいないでしょう。となると残された者達にできる事は前を向いて進んでいく事です。




14日に中山競馬場で行われた第84回皐月賞は、2週前・1週前追い切りに藤岡康太騎手が騎乗した⑬ジャスティンミラノ(戸崎圭太騎手騎乗)が優勝しました。それだけではありません。13日・14日の競馬では藤岡康太騎手が騎乗していた馬達が何頭も好走しました。やはりそういう事もあるんですね。シャスティンミラノには日本ダービーでも勝ってもらいたいと思っています。それが本当の意味での藤岡康太騎手への弔いになると思っているからです。5月26日は要チェックです!



ワタクシ自身は常に馬券(回収率)でプラスにしたいと考えているので、好きな馬・騎手は作らないようにしています。しかしその分、負傷した人馬に関わらず心が痛みます。今後このような事故が無くなればと思いますが、それは難しい事だと理解しています。それでも、「全人馬が無事にレースを終えて欲しい」と心から願っています。その上で自分の馬券が的中すれば、こんなに嬉しい事はありません(笑)


最後になりますが、藤岡康太騎手の御冥福をお祈りします。今までありがとうございました。どうか安らかにお休み下さい。そして見守っていて下さればと思います。