日本の製品は高品質で世界を席巻


メイド・イン・ジャパンは、世界のブランドでした。

高品質、高信頼の証でした。

車を筆頭に、カメラ、テレビ、ラジオ、冷蔵庫、工作機械、部品、ありとあらゆる製品が

世界中で売れていました。

壊れない、長寿命がその証でした。


和食レストランもそうです。

高信頼性の証として、欧州でも、アジアでも、北米でも日本食は健康で高品質のブランド

として愛されています。

だから、お隣の国々の人が真似をして和食レストランを海外で展開して成功しています。

だから、日本政府が和食レストランの認定制度をスタートしました。

物まねされるのは、一流の証です。


韓国、台湾、中国の追い上げ


近年、メイド・イン・ジャパンは隣国である、韓国、台湾、中国に猛烈に追い上げを受けています。

パソコンを筆頭に携帯電話など、完全に後塵を拝してしまいました。

もはや、近代人の証であるパソコンに日本製は皆無に近い状態です。

多くのメーカーが撤退しました。

残念ながら、携帯電話も早晩、日本製はなくなるでしょう。


20年前は、日本は携帯電話王国として世界に君臨していました。

開発競争は激しく、平均し毎月5台以上の新機種がメーカーから発表されていました。

世界中の技術者が、機能と技術の勉強に日本へ来日して研究しました。


それが今や、世界から取り残された存在になってしまいました。

日本で製造されている携帯電話は年間およそ3000万台です。

韓国のサムソン社だけで年間およそ2億台の携帯電話を製造しています。

中国では、年間およそ10億台の携帯電話を製造しています。


今や、携帯電話の製造が日本から消え去るのも時間の問題かもしれません。


日本製の液晶テレビは高くて買えない


取引先であるインド人のアヌラッグが来日した時に、日本製品について聞いてみました。

「インドでは、日本製の製品は売っているかい」と。

彼いわく、

「ソニー、松下の液晶テレビがインドでも売っているよ。

デザインもイイし、画面もキレイで高品質であることはみんな知っている。

しかし、高くて買えない。

だから、みんなサムソンとかLGの液晶テレビを買うんだ。」


インドでは、まだブラウン管テレビが主流で普及率は50%ぐらいと、高くない。

そんな環境で、中流以上の彼がこんなコメントを云ったのだから、

日本製の液晶テレビは高嶺の花なのである。


2年前にインドの財閥系企業であるタタモーター社、30万円の車を発売して

世界を驚かせたのは記憶に新しい。


インドでは、年収200万円の世帯は、全体の5%にも満たない。

そんな国に、20万円のテレビを売り込むのは相当厳しいと云えるかもしれない。


価格40、品質60


友人で英国出身のナイジェルさんが教えてくれました。

「世界では今、「価格40、品質60」と云われているのを知っているかい?

日本人は100%の品質を求めて、100%の価格を提示する。

しかし、世界のビジネスマンは、品質は60点でその代り価格は40%オフで

売っているんだ。」


もちろん品質の60点製品が、良いとは決して言えない。

車のポルシェや時計のローレックスのように高額所得者だけを対象にした製品もある。

ドイツの車メーカーでは、「最善かもしくは無を」と云った方針をとっていた時代もあった。

これらの商品は、限られた市場を対象にしているのである。


液晶テレビや携帯電話は、もはや大衆にとって必要不可欠な製品であり、

決して高嶺の花であってはならない。


大事なことは、必要な人に入手できる価格で提供されることではないでしょうか!?

もし、彼らに商品を買って貰いたいのであれば。


経済的に今のインドは、40年前に日本と同じレベルであると思います。

その頃の日本は、テレビを持っている世帯は少数でした。

おそらく10%以下だったでしょう。

テレビ、冷蔵庫、洗濯機は3種の神器と呼ばれ、みんなの憧れの的でした。

誰もが欲しいと思っていました。


今これらの当時の製品を見てみると、みすぼらしく機能も少なく耐久性も良くない

と思います。

実際、テレビのチャンネルは良く壊れました。

ロータリーの回転式でしたから、耐用年数が持たなかったのです。

それに、冷蔵庫のドアも良く壊れました。

ドアのヒンジが弱かったのです。


私たちはそれでもテレビ、冷蔵庫、洗濯機を欲しがり、実際購入しました。

インドの人も、私たちがいた40年前と同じような立場にいるのではないでしょうか。

彼らを幸せにする、品質と価格の液晶テレビを作る会社が日本から出てきて欲しいですね。