「核」持ってるんですか!!!



核ってあの原子爆弾持ってるんですか!

「マジですか!」

「超アリエネですけど・・・・」


イスラエルに行くことになりました。

いま紛争中で、外務省のホームページで確認すると

「出来るだけ渡航を控える」となっています。

「渡航禁止」とはなっていませんでした。


上司の山本さん、サブちゃんを呼んでイスラエル出張の件を切り出した。

「ど~しても、私でしょうか!?」

「先方が、サブちゃんに来て欲しいと、云ってるんだ!」

「頼むよ、サブちゃん」

「じゃ、帰り、パリで1泊してきて良いですか?」

「OK、OK、パリでもドイツでもゆっくりして良いから!」

「パリのホテル代、晩飯、会社持ちですよ!」

「ノープロブレム、問題ないから!」


帰宅して、家族に報告。


「大丈夫かいサブ」

「ニュースで云ってたけど、ミサイルが飛んでるようだよ!!」

「大丈夫だよ、母さん、心配ナイよ。ノープロブレム」

「・・・・じゃ、お土産はスペルバにしてくれるかい。」

「何、何それ??」

「後で、カタログ渡すから。シャネルの化粧品だよ!」

「化粧品ね・・・・マ、有りか!?」


翌日、サブちゃんは機上の人としてパリ経由イスラエルに向かっていました。

イスラエルに行くルートは、欧州のパリ経由とアジアのタイか上海経由があった。

サブちゃんは、パリ経由を選択していた。



「パリはやっぱり、一回チェックしておく必要があるでしょう!」


パリ経由で、テルアビブの空港に着いて通関である。

通関士いわく。

「パスポートにハンコは押すのか?」

(??何云うってるのかしら、当然でしょう、・・・この人・・・意味不明~)

「押して下さい」


実は、これは後でちょっとした問題になるとも知らずに・・・・

ここでのハンコがあると、入国できない国が出てきます。


無事通関してタクシー乗り場まで行くと人は誰もいない・・・閑散としている。

時計を見ると、土曜日の午前4時を回ったところだった。


「さすがに眠い。20時間余りの移動は疲れた!」

「ホテルに行って、少し寝よう!」


早々にタクシーを拾って、ホテルにチェックインしてカバンも開かず寝てしまった。


「キー、キー、キー」

遠うくで何かが鳴いている・・・

「シャー・・・・」

何か、顔の上を横切った・・・

「シャー・・・・」

また、横切った!


飛び起きて、窓を見ると・・・・

カラフルな色・・・・パラグライダーが飛んでいる。

1機、2機、3機・・・5機飛んでいる。

手に届きそうなくらい近い。

実際、ライダーの顔が見える。


ホテルの窓から、外を見ると地中海が見える。

青い、地平線が見える。

見下ろすと、真下にビーチが広がっている。

ホテルは海沿いに立っていた。


ここは、ホテルの18階である。

少し先のビーチでは、大勢の人が泳いでいる。

2000人はいそうである。


ここは地中海のリゾートじゃないか??

一瞬頭が混乱した。

今朝、ホテルにチェックインして・・・今、2時か!


ミサイルなんか飛んでないよ!!


今回の目的は、新製品の情報を持ちかえることである。

2日間の打ち合わせが終わり、ディナーに誘われた。


ヨットハーバーの中にある、レストランに誘われた。

大きなモールを通り抜けて行く途中・・・・


あれって・・・・ロシア人!?

こっちは、黒人・・・

そして、スペイン系・・・

みんなきれいだ!


「ハイファの女性は世界一綺麗だ云われている。知ってるかいサブ」

アロンが云った。

「その通りかもしれない。」


イスラエルは、中東、アラブのイメージだったけど、

世界中の人種がいそう。

ユダヤ教は世界中にあるんだ!


「世界中から、建国するために集まったんだ」

「ベルリンの壁崩壊後は、ロシアから100万人のテクノクラートが帰ってきた。」

アロンが教えてくれた。



彼は、アメリカから帰国したそうで、

ニューヨークに住んでいたそうだ。

そして、次男が兵役に行っているらしい。


ビジネスでは、宗教と政治の話は禁句だ。

今夜はその話題は避けよう!


「このスイカ美味しいですね!日本のスイカと同じだよ!」

「これは、この国で作っています。輸出もしています。

(グリーン・テック)と云ってます。」

「凄いですね!」


「税金は高いでしょうね!?」

「50%以上だよ」

「高~え!!」


砂漠の中で、戦争しているから、四面楚歌だし。

ありかもしれない。



「アメリカとは仲が良いですね!?」

「アメリカには沢山の同胞がいます。 教授や知識階級の40%が同胞です。」

「頭いいんですね!」



「私達は、財産形成より教育にお金を掛けます。財産は没収出来ますが、

知識は没収出来ませんから!それがユダヤの知恵です。!」

「説得力がありますね。」


「小競り合いが発生していますが・・・・大丈夫ですか?」

「核を持ってますから!」


「ゲッ・・・、核。 原子爆弾ですか? マジですか!?」

「そうです!」


「でも、アメリカはその事を認めてませんが・・・・」

「それは建前です。」



参りました!!!


本音と建前は世界の標準でした!



続く