「問題解決型」は、日本のお家芸です。



いま、「問題解決型」から「課題設定型」に変化しなければならないと云う流れが出てきています。


その通りです。


でも、世界はその先に行っています。私達は、そのことを理解してゲームをする必要があります。



自動車をはじめとした多くの製品で日本は欧米の多くのメーカーを駆逐して、ものづくりの繁栄を謳歌してきました。ものづくり大国日本」でした。


これは、問題解決型で十分に対応できました。


海外の新製品を、分解して構造を理解し、高品質、高機能で安く作れば良かったのです。解決すべき問題は、全て分かっていました。



数年前から、課題設定型の本やセミナーが散見されますが、これだけでは、不十分であると云えます。

課題設定型を要約すると、現状分析とあるべき姿のギャップを課題として捕えて施策を立案して実行すると云っています。


「課題設定型」では不十分です。

もっと大きな課題に目を向けるべきです。

発売3ヶ月で300万台を販売した、iPadこそ、日本のメーカーから開発して欲しかった商品です。


こんな製品を、日本企業からもっと沢山出して欲しいです。


「課題設定型」は戦略立案の方法論でしかありません。一番大事な事は、戦略を実行することです。実は、日本企業の弱点はここにあります。

また、戦略の実行によって「市場の創造」に近づけます。

戦略的アクションの流れは、次のようになっています。

情報収集==>情報分析==> 戦略立案==>戦略実行

欧米の一流企業では、「情報収集」、「情報分析」のところで外部リソースを積極的に活用しています。


例えば、インテル社の場合には、1億円を超えています。日本で一番の購入金額が大きなのは東芝で、5000万円です。ノキアの場合には競合他社の携帯電話を年間200台以上外部に分解調査させています。

(これだけで推定5000万円以上です。)日本ではせいぜい年間数台です。

(これはある調査会社の売上によって分析、総費用はもっと多額です。)



費用対効果、生産性を重要視する欧米の会社が、なぜこんなに外部からの情報に費用を掛けているのでしょうか? その方が、正確で全体の動向が良くつかめるし、タイムリー(素早く動ける)であるからです。

大事な事は、貴重な社内リソースはもっと重要な事に使いたいからです。


それは、戦略の実行によって結果を出すことです。

この点で、日本企業の場合には、本末転倒になっています。

社内スタッフが、情報収集、情報分析を行っています。



残念ながら、このようにして集められた情報は、社内から様々な批判を浴びることになります。(当然、正確さも不確かな面もあるのですが・・・)

情報の信頼性、信憑性の議論が永遠と始まります。


購買部門では、「この値段はおかしい、当社で購入している価格は持った安い。」とか。

製造部門では、「そんな安く製造できるわけがない。」とか。

身内の情報でもあり、感情的な事も含めて、長い議論が続きます。


(アナリストの情報であれば、このような時間の無駄を大幅に軽減できます。)


担当者は、数回のリワーク後に、疲労困憊して戦略立案に取り掛かります。


ここで日本の企業風土で重要な事は、コンセンサス作りです。行きなり会議で新しい戦略を発表したら、暗黙の反発が待ってます。

根回しに時間を割かなければなりません。


残念ながら戦略の立案が終わるころには、スタッフはガス欠状態です。

戦略を実行する力は残っていません。



一番重要な、戦略の実行を遂行するパワーは残っていないのが現状です。


これでは、スピードが大事な世界との競争で優位に立つのは厳しいと云えるでしょう。



がんばれニッポン!!!

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続く・・・・