志村けんに学ぶ | トニーの成幸ブログ

今日は金曜日。

 

成幸者紹介の日です。

 

*  *   *

 

男は東京で生まれる。

 

 

笑わない厳格な父親のもとで育ったが、

父は唯一、テレビの漫才番組の時だけ

声を出して大笑いをしていた。

 

 

それを見ていた男は、幼いながら

お笑い番組に凄さを感じ、興味を惹かれる。

 

 

中学生になると音楽に夢中になり、

バンド仲間と多くの時間を共にする。

 

 

高校は両親の方針で、

お金のかからない都立高校へ進学。

 

 

サッカー部に入り、

ゴールキーパーとして活躍する。

 

 

高校3年も半ば過ぎて、

唯一進路が決まっていなかった男は、

お笑いと音楽の両方の仕事が出来ないかを

考えていた。

 

 

当時、お笑いと音楽を融合した

コミックバンドの人気が出始め、

「これだ!」という思いで、

由利徹やコント55号に

弟子入りを志願するが断られる。

 

 

高校卒業間近に、

最後のチャレンジだと腹をきめ、

あるコミックバンドのリーダー宅の

玄関に座り込んで懇願。

 

メンバーに欠員が出たらという条件で

仮採用された。

 

 

卒業式の前日に地方巡業に同行するよう

連絡を受けたため、卒業式だけ出席し、

そのまま青森へと向かって下積み生活を

スタートさせる。

 

 

メンバーの一人の付き人として、

居候生活を始めるが一年で脱走し、

バーテンダーのアルバイトを始める。

 

しかし、お笑い芸人としての夢を捨てきれ

ず、頭を下げて2度目の弟子入りを志願。

 

 

しばらく弟子入り生活を続け、

22歳の時、独立してお笑いコンビ

「マックボンボン」を結成、

芸能界デビューを果たす。

 

 

お笑いコンビは瞬く間に人気者となり、

コンビ名を冠したテレビ番組がスタート。

 

しかし、途中で相方が辞めてしまったため

このコンビは消滅し、

元のグループの付き人生活に逆戻り。

 

 

1年後に「メンバー見習い」の扱いで

メンバー入り(昇格)を果たす。

 

 

さらに一年後に、

メンバーの一人が脱退することになり、

正式にメンバーの一員となる。

 

 

しかし、2年が過ぎても、

ギャグが全くウケず、

おまけに番組の視聴率も徐々に下がり始め、

番組終了の危機が迫った。

 

 

そんな時に、男が日頃から鼻歌のように

唄っていた故郷の歌(音頭)を

番組で披露したところ、これが大ウケ。

 

視聴者から「毎回歌ってほしい」との

リクエストが殺到。

 

番組は息を吹き返し、

男も一躍人気スターの座を手にする。

 

 

番組の名は『8時だヨ!全員集合』、

男の名は、ザ・ドリフターズの志村けん。

 

 

彼の出世作ともいえるギャグ歌は、

言わずと知れた「東村山音頭」。

 

 

男の芸名は、芸能界入りを果たす直前に

この世を去った厳格な父親「憲司(けんじ)」

から取ったものだった。

 

 

その後、番組内でも

加藤茶との「ヒゲダンス」や、

童謡の替歌「♩カラスの勝手でしょ〜」

などが人気を博し、

 

グループには無くてはならない存在になる。

 

 

16年続いた『全員集合』が終了した後、

 

『カトちゃんケンちゃんごきげんテレビ』

『志村けんのだいじょうぶだぁ』

『志村けんのバカ殿様』など、

 

ゴールデンタイムのレギュラー番組には

欠かせない存在になる。

 

 

その存在感は日本だけにとどまらず、

台湾、インドネシアなどアジア中に

知れ渡り、他国のお笑い番組や芸人が

真似をするまでになった。

 

そして彼はいつしか

『キング・オブ・コント』と呼ばれ、

尊敬される人物になる。

 

 

2020年、新型コロナウイルスにかかり、

70年の人生を終えて旅立ったが、

多くの人に親しまれ、そして尊敬される

偉大な人間であったことに疑う余地はない。

 

 

70歳での死去は早過ぎたかもしれない。

 

 

しかし、その年齢よりも、

過ごした人生の中身が充実していたか

どうかが重要だ。

 

 

それは、今となっては本人しか

知る由もないが、少なくとも多くの人に

夢と笑いと元気エネルギーを与えてくれた

ことは間違いない。

 

 

 

「自分らしいことにチャレンジしていれば

おのずと道は開ける」by 志村けん

 

 

「自分らしいこと」。

 

それはすなわち、自分が好きなことで、

得意で、価値観が合っていること。

 

 

今一度、自問自答して下さいね。

 

 

良い週末をお過ごしください。