この間、観てきた「男はつらいよ お帰り寅さん」に、メロン騒動のシーンがありました。
久々に観たけど、面白かった!
年末に「ゴッドタン」で劇団ひとりがやってたのも観ていたんで・・・
寅さんが、自分がもらった高級メロンを勝手に食べられたことで「わけを聞こうじゃないか」などと逆上。
のちに、渥美清さんが「徹子の部屋」で語ったところによると、浅草の映画館でこのシーンを観ていた客は「笑わない」そうです。
「寅さんが正しい」と思っている人が大半だからだとか。
新宿などの劇場は「大受け」だったそうですが。
ではどうぞ・・・
「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」での一幕。
全員「いただきまーす!」 「うーん美味しい!」「うまい!」
おばちゃん「あらいけない!寅ちゃんの分、忘れちゃった!」
さくら「勘定に入れなかったの?」
おばちゃん「うっかりしちゃって…どうしよう…」
さくら 「どうしようって…」
博「隠しましょう!」
おいちゃん「どこへ?」
寅「メロン美味しいかい?」
さくら「う、うん。」
寅「よし、じゃ、お兄ちゃんも一つもらおうか。じゃ、出してくれよ、な。」
さくら「あ、お兄ちゃん。これ一口しか食べてないから…」
おばちゃん「あの、あたしのを…」
博「あ、僕のをどうぞ」
おいちゃん「これ食べろよ」
寅「……わけを聞こうじゃねえか。…どうしてみんなの唾(つばき)のついた汚ねえ食いカスを、オレが食わなくちゃならねえんだい?」
さくら「……」
寅「オレのはどうしたの?…、オレのぉ~!?」
さくら「あたしが悪かったの。お兄ちゃんのこと勘定に入れるの忘れちゃったの」
おばちゃん「違うよ!あのね、あたしが悪かったんだよ」
おいちゃん「俺も気が付かなかったんだよ」
おばちゃん「ごめんよぉ」
博「僕もうっかりして…」
寅「いいんだよいいんだよ。どうせ俺はね…この家じゃ勘定には入れてもらえねえ人間だからな」
さくら「そんなこと言ってないじゃない…」
寅「しかしな。このメロンは誰のとこへ来たもんだと思うんだ?旅先ではひとかたならないお世話になりましたと、あのパパがオレのところへよこしたメロンなんだぞ!」
さくら「そうよ…」
寅「本来ならばこのオレがだ、『 さ、みんなそろそろ食べ頃だろう。 美味しくいただこうじゃないか 』 『 あら寅ちゃん、すまないわねえ、あたしたちもご相伴にあずかっていいの?』 『 もちろんだとも~ 』『 すいませんねえ兄さん、それじゃ頂きます』…そうやってみんながオレに感謝をしていただくもんなんだろう。それをなんだい!オレに断りもなしに」
全員「……」
寅「あいつのいないうちにみんなで食っちゃお食っちゃお食っちゃお。どうせ、あいつなんかメロンの味なんかわかりゃしないんだ。ナスのふたつもあてがっときゃいい。そうしようそうしよう。みんなでもって食おうとした時にオレがパタパタって帰ってきたんで、てめえら大慌てに慌てたろ! なんだ、テメエ、皿をこの下に隠したな。で、今出したろ!そっから!」
博「い、いや…、あれは、あれはですね…」
寅「あれは、なんなんだい!」
さくら「お兄ちゃん、いい加減にしてよ…。勘定に入れなかったことは謝るから、ね。ごめんなさい」
寅「さくら、いいか、オレはたったひとりのお前の兄ちゃんだぞ。その兄ちゃんを勘定に入れなかった、ごめんなさいですむと思ってんのか!おまえ、そんなに心の冷たい女か!」
さくら「何よ!メロン一切れくらいのことで。みっともないわね、もう」
寅「何をぉ~~!?」
おいちゃん「寅!おまえ、そんなにメロンが食いたかったらな、一切れとは言わねえ。これで買ってきて、頭からガリガリガリガリ、まるごとかじれ!」
寅「バカヤロウ!オレの言ってるのはメロン一切れのこと言ってるんじゃないんだよ!この家(や)の人間の心のあり方についてオレは言ってるんだ!」
おいちゃん「一人前なこと言いやがって、おまえ!」
寅「うあー!チキショウ!」
さくら「お兄ちゃん、やめてぇ!」
博「兄さんやめてくださいよぉ~!」
寅「よおし!!」
おばちゃん「んっもう~~~メロンなんか貰うんじゃなかったよ~ うえぇ~~~ん、うぇ~~~~ん」
寅さん、イイネ!