「あ〜あ、ついに逝っちゃった。よりによって、この年の瀬に……」
朝一番、家に響き渡る嫁さんの悲痛な声とは対象に、その手元で、ウンともスンとも言わなくなった一台のハンディ掃除機。
大掃除という決戦を前に、完全にぶっ壊れたのさ。
振り返れば、我が家の「掃除機戦記」は、波瀾万丈よ。
初代は、「象の鼻」の様な長いノズルを持ちながら、犬の散歩のごとく本体を引き連れ、コードが絡まる度に、マーキングみたいに立ち止まらされる、手間のかかるヤツだった。
二代目は、「ダイソン」という、彗星のごとく現れた黒船で、あの凄まじい吸引力と「舶来モノで、私高いですけど何か?」というドヤ顔感の凄さに、一家でひれ伏しながら使わせてもらったよ。
そして今回殉職した三代目は、今は亡き両親の実家からやってきた、今風なるハンディタイプだったが、感傷に浸っている暇はない。
年末に掃除機がないのは、戦場に素手で突っ込むようなものなのよ。
ていうことで、すぐさまネットで検索をするも、今の生活家電は性能も値段もピンキリで、どれを買ったらいいものやら…。
こうして迷走の末、スカウトの目如く、嫁さんが選びぬいてドラフト指名したのが、こちらの、Orage(オラージュ) RR11という、ハンディタイプのクリーナー。
ちょうどペイペイ祭の追い風もあり、実質1万円前後という、格安価格でゲット出来たのよ。
最後まで「Shark」という2万円クラスの強敵と悩みながら、最終的には「安さ」と「軽さ」という欲望に負けたけど、結論を言えば、我が家的には「これで大正解!」だったね。
格安と言うことで不安だった吸引力も、これが意外にもパワフルで、畳一室を除いてほぼフローリングの我が家にとっては、十分すぎる仕事ぶり。
さらに、最近おしゃれに目覚めたのか、入念なブラッシングで娘が量産し続ける抜け毛も、自走式ヘッドが「お任せあれ!」とばかりに、残さずオールクリアにしてくれるのよ。
パワフルモードで13分の稼働時間は短く思えるが、我が家の広さなら、それだけあれば十分だし、何より嫁さんが喜んだのが「軽っ!」と唸る程の超軽量ボディ。
パッと手を離せば自立してくれる健気さもあり、床の埃を照明で見やすくするなど、この値段でこの多機能っぷりは、ニトリじゃないけど、「お値段以上」なのよ。
後は、どれだけ長持ちするかだけど、そこは、所詮1万円ちょっとのお買い物。
「掃除機も使い捨ての時代」と割り切れば、1、2年持ってくれれば万々歳。
数万円の高級機を買って「延長保証、入るべきか……」と悩むくらいなら、1年保証がついてくるこの子を使い倒す方が、精神衛生上よっぽどヘルシーだね。
ていうか、正直、この価格でここまで性能が進化していることが驚きだった。
上を見ればきりがないけど、我が家の年末は、この「安くて軽い相棒」と共に、床の埃を吸い取ることにするよ。






























