マグネチックループアンテナの深化 第9弾
作り安さを追求したHIGH POWER FFWQUAD 当面の集大成
FFWQUAD も第8弾まで進み、室内からも沢山DXが出来ていますし、数か国への移動時に大活躍しています。
以前の私のブログご覧になって下さい。
皆さまから色々コメントを頂いていますが最大の問題はその作り方,そしてその加工の仕方が誰でもと言う訳にいかないい為
断念されている方もいる様です。
第9弾は基本的には第8弾を引き継ぎ、その性能そのままで簡単でどなたにでも製作可能で、皆様にこのアンテナのすばらしさを
実感して頂けることを目指して再設計致しました。
基本的には第8弾と同じ性能ですのでその詳細は第8弾をご参照願います。
写真は第9弾の物ですが見た目はあまり変わっていません。
下記は変更点です。
1)まずは最上部のエレメントですが約1mのアルミパイプ一本です。
以前の物は移動のことを考えて二本のパイプをつなぎ合わせていましたがその加工方法は少し難しさがある様でしたので
今回はつながないで一本のアルミパイプをTの字型の水道用のパイプに固定する様にしました。
水道ホースの固定の為のバインドですが、要は固定出来れば良いのでねじ止めでもなんでも良いと思います。
アルミパイプは多少太くても細くても問題有りませんし、長さも約1mくらいという事で精度は必要ありません。
同調周波数アンテナループその他の長さでいかようにもなりますのでそれほどシビアーに考える必要ありません。
ステンレスのパイプも試してみましたがやはりアルミパイプが良いようです。かなりの大電流が流れる様でその電気抵抗が
悪影響する様です。
裏側
2) 上下のエレメントをつなぐケーブルをアンテナループと呼んでいます。
アンテナループは市販の一番太いと思われる平行線を使いました。今回はそれを2本、つまり計4本のリード線を半田付けして
使います。
当初、一本から始めましたがハイパワー時に発熱します。インピーダンスが相当低いらしく大電流が流れているようです。
アンテナループは現場で簡単に組立てられるようにメガネクリップに半田付けて作ります。
それを上下のエレメントにはさんで使います
給電電ループはそこに50オームの同軸ケーブルを直接繋ぎアンテナ本体に給電する為の物でそれほど大電流は流れないので太めの被覆されたビニール被覆ケーブルで大丈夫です。
アンテナループに使っている平行線の一本だけをを使っています。
3)下部エレメント
これは周波数同調用を兼ねており内部に10D2Vの芯線だけが入っていてそれを抜き差ししてその静電容量を変化させてこの
アンテナの共振周波数を調整出来る様にしています。
下図の様にギャップで絶縁された左右のエレメントの間の静電容量(コンデンサー)を10D2Vを抜き差しして変化させます。
片側のパイプと10D2Vの間の静電容量は変化しません。
もう一方のパイプの間の静電容量だけが抜き差しされると変化します。
それらは10D2V を介して直列のにつながれる為、静電容量は最大でも約半分になってしまいますがコンデンサーとしての
耐圧は約2倍になります。
この事によってハイパワーのマグネチックループアンテナが割と簡単に作る事が出来るのです。
この様な超小型のアンテナであるが為、狭帯域のアンテナですが特に今はやりのFT8 では全く問題なく使えます。
超小型ではありますが決まった周波数においては想像を超える性能を発揮します。
当初色々なプラスチックを絶縁物として使ってコンデンサーを構成させましたが他の絶縁物ではハイパワーでは発熱してしまい
使えませんでした。
たどりついた同軸ケーブルはさすが同軸ケーブルに使われている材料なだけに発熱もなく素晴らしい性能を発揮しました。
エアーバリコンの様に空気を絶縁物としてトライしましたが熱ではなく放電に悩まされました。
左右のアルミパイプをつなぐ為に塩ビの水道用パイプを使いました。
外径18mm、内径13mm位の水道管は割と簡単に手に入ります。
その中に外径13mmのパイプがすっぽりはまります。それを赤いテープの目印の所まで差し込むといい具合に固定されます。
この方法ではなくても要は何らかの方法で左右のパイプにギャップで絶縁状態に固定されれば問題有りません。
私の場合は外径13mm、内径12mmのアルミパイプの中に外径10mmの10D2V同軸ケーブルの芯線だけをを入れて
います。
1メートル以上ある芯線は多少そっていますのでちょうどいい硬さで固定されますし、押し込めば自由に出し入れ出来ますので
いい具合です。
左右ののアルミパイプは50CMくらいの長さです。それほど正確である必要はありません。
ただし、パイプの表面にアルマイト加工されていないものが必要です。もしアルマイト加工済の場合は絶縁されてしまうので
メガネクリップをつなぐ所は削り落さなければなりません。
マジックテープで支柱に固定するようになっています。
メガネクリップでアンテナループを下部エレメントに繋ぎます。
アルミパイプの中に10D2Vの芯線を通してそれを出し入れして周波数を調整します。
以前の物はフルバンドにこだわっていた為、複雑で作り方も難しくなっていました。
今回は作りやすさにこだわり18MHZ, 21MHZ, 24MHZ, 28MHZ 計4バンドにしました。
無論、追加のコンデンサーを同軸ケーブルで作って追加すれば以前の物の様にフルバンドする事も可能です。
4)給電ループの作りかた
全体の電気的構成は下の図の様になっています。
以前のブログでは全て寸法で追いかける様になっていますが実際はそれほどシビアーではありません。
出来るだけ太めのビニール被覆されたリード線の大体中央部に約180mmから200mm位とって写真の様に輪ゴムをPP結束バンドで固定します。
輪ゴムは二重、三重にして強さを調節します。
両端は上の写真の様にやはりPP結束バンドで固定します。
わずかに輪ゴムが少し伸びた状態にして給電ループがたるまないで上部エレメントに密着するようにします。
下からの糸で引っ張られると下図の様になる様にします。
つまりこれで給電ループと上部エレメントの電気的結合を調節します。
そしてSWR最小の状態に追い込みます。
給電ループの最下部にはM型クネクターを取り付けます。50オーム直接給電です。
給電ループの長さはかなりいい加減で大丈夫です。
大体正三角形になるようにします。
これ方法がFFWQUADの最大の特徴です。
いくら同調周波数に合わせられても何らかの方法でSWRを追い込めない限りこの種のアンテナは本来の性能は望めません。
目安としてはSWR1.10以下にすべき思います。調整次第でSWR1.02から1.05位に調整するのはそれほど難しい事では
ありません。
まずは10D2Vの同軸ケーブルの芯線を出し入れして同調周波数を合わせて、次に給電ループと上部エレメントとの結合の
度合いを調節んしてSWRを最低に調整します。
それを何度か繰り返して周波数、SWRを最適な状態に調整してON AIRです。
5) 支柱、三脚、糸巻、他
支柱は釣り竿です。最近カーボン製の物が一般的ですがわたしはグラスロットを使っています。
多分どちらでも大丈夫?かと思います。
三脚は何でも良いでしょう。
移動の時は三脚は使わずベランダの柱に結束バンドで固定して使っています。
糸巻は大切です。
移動時にこれに糸を巻いて行きます。
一番大切なのは糸の固定のためのストッパーです。
アルミ板で作りました。
糸を引っ張っったり緩めたりして良い所、つまりSWRが低く調整出来ればそこで固定します。
7) SWRがどうしてま下がらない時は下記の二つの方法が有ります。
通常の状態
少し緩ませた状態
写真の様に給電ループの固定位置を変えて給電ループを緩ませます。
つまり、給電ループと上部エレメントの結合を少なくします。
設置する場所、その他のコンデションによって必要な時が有ります。
私は3mm径ののタッピングねじをアルミパイプ先端に25mm位のピッチで2.5㎜の穴をあけてそこに
3本くらいずつ取り付けておきます。 これはただ給電ループを緩ませるための物でそれほどシビアーな物ではありません。
逆に結合を強くしないとSWRが下がらない時も有ります。
その時は下の写真の様にして結合を深くします。
たいがいは必要有りませんがその様な場合も有ります。
皆さま試作され良い結果が出せる事を願います。
FB DX 73
JH1FFW 栃木県栃木市
市川隆司
tonyichikawa0@gmail.com
海外免許
T88RC パラオ
V63TI ミクロネシア)
3D2TI フィジー
このブログはこの他沢山のブログが発表されています。
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