マグネチックループアンテナの深化
第8弾 ハイパワーFFW クアッド(当面の集大成)
最近、ハイパワーFFWクアッド9が発表されました。
これから試作をお考えの場合FFWクアッド9をお勧めします。
かなり作りやすくなりましたし、性能はFFWクアッド8と同等です。
マグネチックループアンテナのハイパワー化
一般的なマグネチックループアンテナは市販されているものも含めて10Wから20W
入力に耐えられるというものが多いようです。
私としてはマグネチックループアンテナは八木アンテナの様に大空に高々と上げられるの
でもなく最低100W 入力に耐えられる物でないと実用に耐えられないと考えていました。
よって最初から100W入力が可能な物という事で進んできましたが実際は試作した
エアーバリコンでは100Wでは火花放電が起きてしまい数10Wが限界でした。
より大きなエアーバリコンという考え方もありましたが、それではもう一つの目的である
移動時にたたんでもって行けるという事が出来なくなってしいます。
これがマグネチックループアンテナのハイパワー化の足かせになっているのではないかと
思います。
100Wに耐えられるコンデンサーを求めで、しかも移動時にもって行ける事という条件で
検討した結果FFW クアッドの初期バージョンにたどり着きました。それは塩ビパイプの
周りに銅箔を張り内側に差し込んだアルミパイプを抜き差し出来る様にしたバリコンでした。
この場合抜き差しする、つまり動く物にリード線を繋がなければいけないので特に移動時に
辛い物が有り、それならという事で銅箔の張られたパイプの中心にギャップを作り、
分割された左右の電極の中をアルミパイプを抜き差しして容量の変化するコンデンサーに
する様にしました。
これは結果的には大成功でした。左右の二つのコンデンサーが直列につながる為
耐電圧が倍になった為100W 入力は全く問題なくなりました。
これがFFW クアッドの初期バージョンです。
このFFW クアッドの初期バージョンも活躍してくれました。
ところが100Wで使っていると全体的に発熱してしまいました。
インピーダンスの差のせいか給電ループは発熱しませんがアンテナループが発熱しました。おそらく100W では相当の電流が流れているのでしょう?
これは簡単でリード線を太く、それでも足りず平行線そのまま2本並列につないでしまって
アンテナループとしました。
問題はコンデンサーの発熱です。
火花放電などは一切ないのですがわずかに発熱します。
検討の結果これは塩ビという材料をコンデンサーの絶縁物として使っている為と断定し
何かいい物が無いかと色々考えたあげく10D2V の同軸ケーブルをコンデンサーとして
使うこととしました。
5D2Vとかもトライしましたが100W入力には10D2V以上が必要です。

10D2Vの同軸ケーブルの外皮と網線をはがし内部だけ使います。

10D2Vの芯線は10mmくらいの直径でそれを13mm外径、11mm
内径のアルミパイプに差し込みます。
少し緩めですが10D2Vの芯線は少し曲がりがありますのでちょうど良い
感じです。芯線を出し入れするとコンデンサーの容量が変わります。
これを手のとどく下側のエレメントにセットしました。
どちらの部材も普通に入手可能ですので作りやすいのではないかと
思います。ただアルミパイプは表面にアルマイト加工されていない物を
選らんでください。
アルマイト加工されている物は導通しないのでそれを削り落さなくては
なりません。
10D2V の同軸ケーブルの外皮と網線を外しそれをアルミパイプの中に通す方法で
アルミパイプの内側と10D2Vの芯線として使われている銅線の間の静電容量をバリコン
として使う方法です。
さすが同軸ケーブルの内部に使われているの絶縁物だけに電気的特性の優れた物を
使っている様で一切発熱しません。
FT8 で100W入れて使っていますがSSBではもっと行けそうです。
もしかして150W 位まで行けるのかも知れませんがそういうマシンが無いので試して
いません。
一般的なマグネチックループアンテナの調整方法に関して
一般的なアンテナでは同調周波数、SWRはそれなりに合わせなければなりませんが
それほどシビアーに追いかけなくてもそこそこの性能が出ます。
しかし、MLAも含めた小型のアンテナはそれらをシビアーに調整しないといけません。
それが出来ると超小型でありながら思った以上の性能を発揮します。
一般的なMLAはバリコンで周波数を調整する物が多いようです。それを電動で
調整するのもあって素晴らしいと思います。
ところが私も苦労しましたがSWRの調整はというと円形の給電用のループを折り曲げたり
伸ばしたりで全くその時の感と経験で調節するといった感じです。
FFWクアッドのSWRの調整は給電ループとアンテナループの
結合の度合いで決まります。
一般的なアンテナは給電線の50オームとアンテナ自体のインピーダンスを整合する為に
何らかのインピーダンスマッチングが必要です。
例えば八木アンテナにおいては各種のマッチングの方法が紹介されています。
FFWクアッドでは給電ループとアンテナループとの間隔を調整してその結合の度合いを調整
して行います。アンテナ直下で調整出来る様に水糸を垂らしてそれを引いたり緩めたりして
最良の状態にしてそれを糸巻に固定します。
八木アンテナ等で使われているなマッチングも試したのですがこの方法が一番簡単で
確実でした。
FFWクアッドの調整方法
まずはアンテナループの長さ、そして5D2Vの芯線をアルミパイプに出し入れしてその容量を調節して所定のバンド、周波数に合わせます。
そして給電ループとアンテナループとの間隔を水糸を引っ張って調整してその結合の度合いを調整してSWRを最低にします。すると多少周波数が変化してしましますのでそれを再調整します。
これを繰り返して周波数、SWRを最良の状態に追い込みます。アンテナアナライザーが有れば意外と簡単です。
送信周波数が有ってSWRが下がってくるとパワーの吸い込みが良くなり、一般的なアンテナ
と変わらないくらいパワーを入れられるようになります。
SWRの値を1.10以下にすると本来の性能を発揮します。
FFWクアッド8は何が深化したのか。
1) 基本的にはFFWクアッド7で良い性能が出ていますので変更していません。
よってどちらも100W入力にも耐えられます。
2) コンデンサー用のアルミパイプの径は同じですが長さを少し短くしました。
アルミパイプは4m定尺です。これからFFWクアッド7の様に550mmの7本しか
取れなくて半端なあまりが出来てしまいます。今回は一本を497mmにしてカッターの
切りしろも含めて8本取れる様にしました。その分アンテナループ用のケーブルを少し
長くしました。下記参照ください。これでアルミパイプを無駄なく使えます。
アルミパイプは表面にアルマイト加工のない物を選んでください。アルマイト加工は
錆止めなのですが通電しないので使いずらいようです。
3) キャパシターロッドは周波数の微調整の為に取り付けましたが無くても問題無いと
判断し今回は無しとしました。
4) これはいまだテスト段階で完全な物ではありませんがモーター駆動でこのアンテナの
同調周波数を調整出来る装置を取り付けました。
ネットで購入した12ボルト仕様のギアドモーターでアルミパイプの中のを出し10D2V
の芯線入れする物です。このギアドモーターには長い4㎜径のネジがついていて
それが回転してナット側についているクリップで挟んである10D2Vの芯線を出し入れ
する物です。
移動時につかえる様に電池12Vが内臓されている鉄道模型用のコントローラー
(ロクハンRC-02)を使いました。回転方向、そのスピードまでコントロール出来て
快適です。
一度SWRを調整してしまうと周波数を微調整してもSWRはほとんど変化しませんので
運用が楽になります。
欠点は片側だけが重くなるのでFFWクアッドが少し傾いてしまう事かと思います。

伸ばした時、周波数は高くなります。
ちじめた時、周波数は低くなります。

コントローラー

5) コンデンサー用のアルミパイプの長さが短くなった為アンテナループ、給電ループの
寸法も変更しました。 下記参照ください。
上部エレメント

全長1028mmですが外径13mm 内径11mm、497mm長さの
アルミパイプを左右に2本32mmの隙間を開けて長さ200mm
内径13.5mm位のアルミパイプで繋ぎます。
スーツケースに入れるサイズにする為片側ははずれる様にします。
水道ホース固定用の部品と水道管のエルボーを使います。
移動を考えない場合は単純に1028mm位の一本のアルミパイプで良いで
しょう。

エレメントの両端は写真の様です。
目玉クリップで両端のアンテナループ用のケーブルをエレメントに繋ぎます。

アルミパイプの先端には図の様に20mmピッチで3本のタッピングビスで給電
ループをひっかけられるようにします。
上側の写真の様に先端に近いビスにひっかけた状態がデホルトです。
給電ループと上部エレメントとの結合が強すぎてSWR が下がらない時は内側の
ビスに移動させます。給電ループが緩んでしまいますが上部エレメント(アンテナ
ループ)との結合が弱くなりSWRを下げる事ができます。
逆に結合が弱すぎてSWR が下がらない場合は下側の写真の様に給電
ループとアンテナループを接近させ目玉クリップで固定します。
どちらかをやって上部エレメントとの結合が良い状態になってSWRが下がればれば
OKです。

SWR を下げる事がこのアンテナの場合、最高の性能が発揮できるかどうかの
大切なポイントとなります。私も色々な種類のループアンテナを作ってみましたが
うまく動作しなかったのはこれが原因だったのではないかと思います。
周波数は合わせられても簡単にSWRを下げる為のすべを持たない物が多かった
ような気がしています。
給電ループの作り方
やはり外径3.5mmのビニール被覆ケーブルを使います。
寸法通りに作るのは意外ト難しいので簡単なジグを作ります。
適当な木の板に2mm位の太さの釘を打ち付けます。邪魔にならない様に
釘の頭は切り落とします。
まずは
A として釘のセンター、センター間で499mm
B として釘のセンター間で180mm
C 釘センターからエンドまで 800mm

寸法がとれたらケーブルの先端から約15mmのところにPP結束バンドで
固定します。

輪ゴムは何重かにして短くして適度に張りがあって上部の
給電ループがたるみなくほぼ一直線になる様にしてから結束バンドで固定します。
要はエレメントに取り付けた時に給電ループがピンと張っている様にします。
釘の位置が間違っていなければそのまま上部エレメントにいい具合に
取り付けられるようになると思います。
あとはM型コネクターに半田付けて完成です。

下側エレメント
下側エレメントは内径11mmのアルミパイプを左右一本ずつ使います。
長さは497mmです。
それを200mm長さの塩ビ水道管に通して固定します。左右のパイプに
塩ビパイプの中で32mm位の隙間があって左右を電気的に分離します。
内径は13mmよりわずかに太い塩ビ水道管は割と普通に手に入ります。

それを前述の様にクランプします。


このクランプはアルミパイプと導通して
いるのでそこに喋ねじを取り付けてやはり10D2Vで作った固定コンデンサーをぶら
下げます。
アルミパイプの裏側にはマジックテープがついていて支柱に固定出来る様に
なっています。
FFW クアッドの組み立て方
1) まずは上下のエレメントの組み立てです。
線のところまで差し込んで固定バンドを締めて抜けない様に固定します。

2) 上部エレメントに給電ループを取り付けます。とりあえず両端に3本ずつあるビスの
末端に近いビスにひっかけます。
給電の為のM 型コネクターがついている方が後ろ側になります。そしてマッチングの
為の逆さΩマッチの部分が手前に来るようにセットします。

3) 両端に目玉クリップの付いたアンテナル-プを上の写真の様ににの両端に取り付け
ます。下部エレメントへの取り付けは最後です。
4) 釣り竿のマストを伸ばします。全長1.8mくらいで先端の太さが17㎜位にの物が良い
ようです。根本の太さはそれなりで大丈夫です。最近の物はカーボン製の物が
多いようですが何でも構いません。カーボン製の物は高価ですので私は近所の
釣具店で売れ残った昔のグラスファイバー製の物を使っています。
実際は少し細い物にビニールテープを巻いて下の写真のエルボーの受けに
すっぽり入る様にしています。
エルボーは下の写真の様な物でホームセンターの水道管売り場に有ります。
エルボーの内径は18㎜です。
釣り竿の先端にエルボーを差し込み上部エレメントを取り付けます。
その時逆さΩマッチの部分に水糸をひっかけておきます。

そして立ち上げます。どこかに固定するかカメラの三脚を使って固定します。

5) 立ち上がったら両端に垂れ下がったアンテナループの先端のメガネクリプを下部
エレメントに繋ぎます。
これでループになりました。下部エレメントの中心部にあるマジックテープで下部
エレメントうをマストに固定します。
6) 下部エレメントに5D2Vの芯線を挿入します。給電ループにフィーダーケーブルを
繋いで早速SWR測定です。まずは5D2Vの芯線を出し入れして周波数を所定の
バンドに合わせます。次に水糸を引いたり緩めたりして少しずつSWRをさげていきます。
これを繰り返してSWRを最良の状態に追い込みます。SWRを1,10以下にするのがこの
アンテナを使いこなせるか否かの大切なポイントです。
バンドごとにあったアンテナループの長さを選んだり、バンドによっては追加の
コンデンサーを繋ぎます。
実際使ってみて
使った感じは極めてFBです。 7メガでSSBで国内は大体飛びます。
終わってからかなり呼ばれます。FT8の場合はエンドレスになります。
地上高3Mの室内からですので私としては実際驚いています。
欠点とすれば帯域が狭い事かと思います。ダイポールアンテナのようには
いきません。FT8 では周波数が固定ですので全く問題ありません。
SSB CWの場合はあまりあちこち動けないでその近辺の周波数で選んで
ください。
あまり周波数がずれるとSWRが上がってしまい飛びません。
相手と同じ周波数でSWR 1,10以下で使っています。
バンドごとの詳細
28Mhz
メガネクリップの両先端で850mmのケーブルを両側に使います。
追加のコンデンサー無しで同調します。
24Mhz
メガネクリップの両先端で850mmのケーブルの物をを両側に使います。
追加のコンデンサー無しで同調します。
21Mhz
メガネクリップの両先端で850mmのケーブルを両側に使います。
追加のコンデンサー無しで同調します。
18Mhz
メガネクリップの両先端で850mmのケーブルを両側に使います。
追加のコンデンサー無しで同調します。
14Mhz
メガネクリップの両先端で1650mmのケーブルを両側に使います。
追加のコンデンサー無しで14Mhz に同調させられます。

10Mhz
メガネクリップの両先端で1400mmのケーブルを両側に使います。
追加のコンデンサーを付けて10Mhz に同調させます。
10Mhz用追加 コンデンサー



7Mhz
メガネクリップの両先端で1650mmのケーブルを両側に使います。
100W 入力ではかなりの電流が流れるようで3.5mm外径のビニール被覆線が
少し暖かくなります。よって平行線そのまま2本使います。
同調用には網線の長さが760mmの10D2Vを折りたたんだものを使います。
網線と芯線の間の静電容量をコンデンサーとして使います。


3.5Mhz

3.5Mhz用 コンデンサー
全長1880mmの10D2Vを丸めて網線と芯線の間の静電容量を追加のコンデンサーとして使います。

今までの色々な発見、そして失敗も含めてこのFFW クアッド8がFFW クアッド7に代わって
最終の形にになるかと考えています。
作りやすく飛びます。当然手に入りやすい部材だけで作りました。室内からDXが
出来るのは誰が想像できるでしょうか?
コンデンサーの構造
最初のFFWクアッドのやり方にもどります。ただし作り方が簡単になります。
左右分離したアルミパイプの電極の中に10D2Vが挿入されて両側のパイプ
と静電容量を持ちます。コンデンサー成分は左右のアルミパイプと、その中を
貫通している10D2V の芯線の間に発生して、そしてそれが直列接続となります。
10D2Vを左右に動かすと右側は常にフルなので変わりませんが左側は
抜き差しによって容量が変化します。これでこのアンテナの共振周波数を変化
させることが出来るのです。
以前のものは塩ビパイプを絶縁物として使っていましたが多少発熱する事が
ありました。 10D2Vでは発熱しません。

電気的な構造
以前のバージョンと変わりません。
フィーダーループとアンテナループの結合の度合いによってSWR を最良の状態に
追い込みます。これが昔にのMLAとは違うところですし、MLAの本来の性能が発揮
できるかどうかを決める最も大切なところです。

結果として
このアンテナはロウバンド様に作ったのですが左右のケーブルの長さを短くする
だけでハイバンドにも対応可能です。10D2Vで作ったバリコンがついて
いますので3.5Mhz 7Mhz ,10Mhz以外は追加のコンデンサー無しで対応可能です。
持ち運ぶ時
下の写真の上側に写っているのは裸になった10D2Vです。エレメントより少しだけ
長くなっています。
下側に写っているのは同じく10D2Vですが少し短くなっています。
21Mhz以上のバンドでは通常のものでは長すぎて横にはみ出してしまう
ためです。

スーツケースに入れる時

FB DX 73
JH1FFW 栃木県栃木市
市川隆司
tonyichikawa0@gmail.com
海外免許
T88RC パラオ
V63TI ミクロネシア)
3D2TI フィジー
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FFW QUAD2
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FFW QUAD7 ロスアンゼルスで運用
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FFW QUAD7 オーストラリアで運用
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FFW QUAD7 ミクロネシアでの運用
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