FFW クアッド10の製作
私の考案したFFWクアッドⅡは本誌2021年7月号で初めて発表させて頂きましたがその後、下記のブログの様に試行錯誤を繰り返して今回のFFWクアッド10まで進んできました。それが図1右側の物です。
今回のFFWクアッド10はインピーダンスマッチングの為にヘアピンマッチを採用することにし、内側ループに頼らずアンテナ本体に直接給電する様にしました。
これによってシンプルになり、調整も安定して同じバンド内では送受信周波数を変化させても再調整が不要となり使いがってが良くなりました。
図1のMLAには1個、FFWクアッドには2個のキャパシター構成になっています。
FFWクアッドの2個のキャパシターは直列につながっている為、100w以上のハイパワーにも耐えられる様になりました。

- 写真1
- 写真1が21Mhz用FFWクアッド10のアンテナの全景です。
- 今回の物はヘアピンマッチを採用しましたのでアンテナループに直接給電しています。
下側に付いているアルミパイプで作ったエレメントに10D2Vを出し入れして静電容量を変化させて18Mhz から28Mhzまでの4バンドに即刻QRV可能です。
エレメントの長さを少しだけ長くすれば14Mhz にも使えます。

- 写真2
- 写真2は追加のケーブルを付けてアンテナループを長くして3.5MhzにQRV可能にしました。
その場合は写真3の様な1.9 m長の10D2Vを丸めて追加のキャパシターとして使っています。 - 片側は芯線に、反対側は網線にメガネクリップを取り付け下側左右のエレメントにつるして使っています。

- 写真3

- 写真4
- 写真4は7Mhz 用の物です。エレメントの長さなどは3.5Mhz用の物と全く同じですが67㎝長さの10D2Vがぶら下がっています。 半田付け前の同軸ケーブルの長さです。
- 1)上部エレメント


- 図2 図3 ターミナル板
- 図2は上部エレメントの詳細です。
- 以前は上部エレメントにアルミパイプを使いましたが今回は図1の様な直径18mmの塩ビパイプをT 字型のエルボーに左右から差し込んで使います。
塩ビパイプは極めて一般的に売られている物でホームセンターで普通に買えます。
その中にエレメントになるケーブルを通します。
全長が115cmのKIV5.5です。(半田付けする前の長さです)長さはそれほどシビアーではありません。この寸法が写真1の物です。
KIV5.5という極太のケーブルですがネットで購入して使っています。
かなり大電流が流れるので細いケーブルでは発熱します。
最初は太めの平行線をダブルにして使っていましたが加工が面倒なので太めのKIV5.5一本で済ませました。
写真5
写真5はヘアピンマッチの部分の写真ですが喋ねじを緩めてヘアピンを上下に動かしてSWRを最低値になる様に調整出来る様になっています。両側からくるアンテナ線、それにバラン、ヘアピンを全てパラに繋がっています。

- 写真6
- 写真6は上部のエレメント中央にあるヘアピンマッチの構造を解りやすくする為の物です。
- バランからのリード線はラグ板をつけておきそれをヘアピンのガイドとします。
- ラグの取り付け方向がミソです。
- その上にアンテナ線KIV5.5に半田つけされたターミナル板をかぶせて喋ねじで固定します。
- 一度設定してしまえば同じバンド内ではほとんど調整なしでSWR 1.10以下になります。

- 写真7
- 写真7はバランはの取り付け方です。ダイヤモンド社のBU55を使いましたが取り付け安かったのでこれにしましたが50:50であれば何でも良いと思います。バラン無しでも問題ないようですが。
写真8は上部エレメントの作り方です。単純にはめ込むだけなのです。接着してしまっても良いのですが移動の場合大きくなってしまいます。
3)下部エレメント
写真9は下部エレメントの組み立て前の物です。
左右のアルミパイプを中央の塩ビパイプに赤い線の所まで差し込みます。すると両端のアルミパイプには30㎜位のギャップが出来ます。
アルミパイプの長さは480㎜ですので下部エレメントの全長はギャップ30㎜を入れて990mmとなります。それを繋ぐ塩ビパイプは130㎜ですがエレメントの寸法はそれほどシビアーではありません。
写真9
図4
図4の様に2本のアルミパイプを貫いて約1020㎜位の10D2V同軸ケーブルの芯線が差し込まれ、抜き差しされると片側のパイプ間の静電容量は変化しませんが抜かれた側の静電容量は減少します。
トータル静電容量は10D2V同軸ケーブルを挟んで左右が直列につながる為に変化します。
両サイドのパイプの間に発生する静電容量は10D2V を介して直列のにつながれる為、静電容量は約半分になってしまいますがコンデンサーとしての耐圧は約2倍になります。
この事によってFFWクアッドが100w以上のハイパワーに対応出来るのです。
中心部の後ろ側にはU字型のひもがビニールテープでとめて有りエレメントを支柱に固定するようになっています。
4)調整の仕方
まずは10D2Vの同軸ケーブルの芯線を出し入れして同調周波数を調節して所定のバンドでSWRを最低にします。
次にヘアピンを上下に移動させてやはりSWRを最低にします。それを何度か繰り返してSWRを最低な状態に調整して完了です
写真14
写真14はこのアンテナを21Mhz で使った時のSWR特性です。
あまり追い込んでいませんがこれ位で充分使えています。
私の一階の部屋でDX可能です。100W出力です。
さすがにヨーロッパとかアフリカとはうまくつながっていませんが国内はもとより普通にDXと繋がっています。大きなアンテナが無理でこの素晴らしい趣味を諦めかけている人におすすめです。
前回の移動時の様に上層階のホテルのベランダ等からは驚くほど良く飛びました。
4)部材に関して
当初色々なプラスチックを絶縁物として使ってコンデンサーを構成させましたが他の絶縁物ではハイパワーでは発熱してしまい使えませんでした。
たどりついたのは同軸ケーブルとアルミパイプです。同軸ケーブルに使われている材料なだけに発熱もなく素晴らしい性能を発揮しました。
エアーバリコンの様に空気を絶縁物としたコンデンサーもトライしましたが熱ではなく放電に悩まされました。
写真10の様に左右のアルミパイプをつなぐ為に塩ビの水道用パイプを使いました。
外径18mm、内径13mm位の水道管は割と簡単に手に入ります。
その中に外径13mmのパイプがすっぽりはまります。それを赤いテープの目印の所まで差し込むといい具合に固定されます。
この塩ビパイプは太さにばらつきがあって購入する時13㎜太さのアルミパイプが入らない物、緩い物、色々あります。
ちょうど良い渋さで入る物を選んで購入してください。
外径13mm、内径11mmのアルミパイプの中に外径10mmの10D2V同軸ケーブルの芯線だけをを入れています。
1メートル近くある芯線は多少そっていますので逆にちょうどいい硬さで固定されますし、押し込めば自由に長さを調整出来ますのでいい具合です。
左右のアルミパイプは50CMくらいの長さです。それほど正確である必要はありません。
ただし、パイプの表面にアルマイト加工されていないものが必要です。もしアルマイト加工済の場合は絶縁されてしまうのでメガネクリップをつなぐ所は削り落さなければなりません。
写真11
写真11はFFWクアッド10に使われている部材です。
一番上にあるのは3.5Mhz用の追加Cです。長さは1.9mの10D2Vの両端にメガネクリップを半田付けしています。
その下にあるのは3.5Mhz用、7Mhz 用の延長ケーブルです。長さは全長67cmです。半田付け前の長さです。
KIV5.5という極太のケーブルですがネットで購入して使っています。
かなり大電流が流れるので細いケーブルでは発熱します。
最初は太めの平行線をダブルにして使っていましたが加工が面倒なので太めのKIV5.5一本で済ませました。
その下は7Mhz用の追加Cです。 10D2V で長さは67㎝です。半田付け前の長さです。
その下は3mm径のアルミ棒で作ったヘアピンです。高いバンド用とロウバンド用に2種類用意しました。
一番下にあるのは同調用の10D2V の芯線です。10mm径です。
少し曲がっていても内径11mmのアルミパイプの中に入ってちょうど良い具合のしぶさで動かせるし固定されます。
6)トラブルに関して
写真12 写真13
100W出力で使っていると写真12の様に下側のエレメントに同軸ケーブルが触れて放電してケーブルが焼け焦げてしまいました。
そこで写真13の様にしてケーブルの位置を固定します。
何でも固定出来れば良いのですが下側のエレメントの中央部、つまり左右のエレメントの隙間の所にケーブルを固定します。
7)MLAとFFWクアッドのメリット、デメリット
私も以前かなりの数のMLAを試作しました。下記が私の感じた事です。
1)一般的なMLAは丸いループでFFW クアッド はそれを四角にしただけで基本的に同じもので同様な性能と考えられます。
2)MLAは歴史も有り色々な人がチャレンジしていて資料も豊富にあります。
また、屋外でも設置可能なバージョンも有ります。
FFWクアッドは今のところ室内だけで屋外で使えるバージョンも検討中です。
3)一般的なMLAは金属製のパイプを輪にして使いますが作るのに一苦労します。
金属製のパイプに換えて同軸ケーブル等を使う方法もあるが円形を維持する為にひと苦労します。
FFWクアッドはまっすぐなアルミパイプとケーブルだけなので割と簡単に作れます。
4)両アンテナの最大のメリットは小型でありそれでいてHF にも対応できるところかと思います。
空高くそびえている八木アンテナと同等という訳にはいきませんが室内でもDX が可能です。
一般的なMLAでも移動運用につかえますが持ち運びに苦労します。
FFWクアッドであればばらしてスーツケースにも収まります。
5)FFWクアッドのサイズはケーブルを追加することによって大きな物にすることが出来るので無理なくローバンドにも対応可能です。
6)通常のMLAは所定の周波数の同調させるためのコンデンサーはかなり大きな耐圧が必要でありハイパワーの場合は大掛かりなバリコン等が必要です。
FFWクアッドの場合は身近なアルミパイプと同軸ケーブルでバリコンが作れます。
それで100w以上のハイパワーに耐えらますのでお手軽です。
7)小型のループでも大きな容量のコンデンサーをつなげばロウバンドに同調させることが出来ますが効率が悪くなってしまう様です。
FFWクアッドの場合は割と簡単にエレメントサイズを大きく出来るのでバンドに合わせて効率の良い物を作れます。
8)FFWクアッドには一切短縮コイル無しで小型でありながらロウバンドにQRV可能です。
9)FFWクアッドにヘアピンマッチという正式なインピーダンスマッチングを追加した為、安定したSWR特性を得る事が出来ました。また、簡単にSWR 最低値に追い込むことが出来る様になりました。
皆さまこの記事を参考にして試作され、もし良い結果、また何か提案があればご報告が頂けると嬉しく思います。
FB DX 73
JH1FFW 栃木県栃木市片柳町4-1-13
市川隆司
tonyichikawa0@gmail.com
海外免許
T88RC パラオ
V63TI ミクロネシア)
3D2TI フィジー
VK4/JH1FFW オーストラリア
KHO/JH1FFW サイパン
FO/JH1FFW タヒチ
FFWクアッドの歴史、下記のブログご参照下さい。
FFW QUAD
https://ameblo.jp/tonyichikawa/entry-12646074035.html
FFW QUAD2
https://ameblo.jp/tonyichikawa/entry-12701772818.html
FFW QUAD3
https://ameblo.jp/tonyichikawa/entry-12714768831.html
FFW QUAD4
https://ameblo.jp/tonyichikawa/entry-12729672929.html
FFW QUAD5
https://ameblo.jp/tonyichikawa/entry-12729842597.html
FFW QUAD6
https://ameblo.jp/tonyichikawa/entry-12730753342.html
FFW QUAD7
https://ameblo.jp/tonyichikawa/entry-12730921686.htmlml
FFW QUAD8
https://ameblo.jp/tonyichikawa/entry-12783761645.html
FFW QUAD9
https://blog.ameba.jp/ucs/entry/srventryupdateinput.do?id=12863053732
FFW QUAD7 ロスアンゼルスで運用
https://ameblo.jp/tonyichikawa/entry-12767476830.html
FFW QUAD7 パラオで運用
tps://ameblo.jp/tonyichikawa/entry-12780331318.html
FFW QUAD7 オーストラリアで運用
https://ameblo.jp/tonyichikawa/entry-12792421081.html
FFW QUAD7 ミクロネシアでの運用
https://ameblo.jp/tonyichikawa/entry-12864345744.htm


























































































