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つか、この作品の一番面白い回、「尻王、降臨!?」でも貼っておきますよん!





轟音――それは天から落ちてきた。

ケツノグラディア(尻王国際闘技場)の空に割れるような光が走ると、空中に浮かび上がる巨大な玉座。その上に腰を下ろす、異形の王――尻王。

王冠を尻に戴き、真紅のマントをまとったその姿は、神話か悪夢のように荘厳で、そして異常だった。

「……ようこそ。哀れなる者たちよ。」

その声は低く、静かに、そして狂っていた。

「君たち、人間は知らないだろう……“尻”というものが持つ、絶対的な力を。
生と死の境、理性と欲望の臨界点、愛と破壊の境界線……それが“尻”だッ!!」

いきなり叫ぶその言葉に、観客は凍りついた。尻王は続ける。

「フハ……ハハハ……!クックック……ッ、フハハハハハハハハハ!!」

突然の爆笑。明らかにヤバい。

「我が名は尻王!この尻の王国を統べし、唯一の王ッ!
我は知っている。お前たちが笑っていることを。だがな、笑えばいい……“尻”を甘く見た者から、落ちていくッ!!」

観客席に静かな恐怖が走る。だがそのとき――尻王のトーンが、ほんの一瞬だけ落ち着いた。

「……私は長い間、この“玉座”に座ってきた。誰も挑まず、誰も辿り着かず、ただ……“王”という役を演じ続けていた。」

静寂。

「だが今回は違う。リュカよ。貴様だけは……来るだろう。私の前に。」

その目たぶんは、一瞬だけ哀しみを帯びていたようにも見えた――が、それも束の間、尻王は高らかに叫ぶ。

「さあ!シリゲームを始めようッ!!
地に這いずる雑種どもよ、せいぜい喚きながらのたうち回れ!この私の前に立てるならばなあああッ!!」

ドン!と玉座が爆発(演出)し、空に巨大なケツ型の炎が立ちのぼる。

観客は悲鳴と歓声を入り混じらせながら、熱狂と恐怖に包まれていった。

尻王のマントが風に翻る。笑いながら彼は姿を消す――その背中には、ほんのわずかに、孤独の影があった。