生レバー。メニューから消える前に、どうぞとんつうへ!



ということで、今日はブログに生肉のコメントが付いたり、ウィキのユッケの情報が改ざんされていたり、レバーのニュースが出たり、とやたら、「意図」を感じる日だったので、殺伐ブログを始めさせていただきます。



コメント欄にいただいたODAさんからのご意見。

「> 「どんな食べ物でも扱いを誤れば凶器になる」

その通りですね。
ただし野菜や餅などは取扱いが簡単です。
生野菜は充分水洗いすればいいし、餅は細かく刻むなど、調理側で簡単にできることです。
生牡蠣も生食用は出荷時に殺菌されています。

家庭でも店でも、生肉より生野菜の方が圧倒的に数が多いですよね。
それでも生肉より問題になりにくいわけです。
それは、正しい取扱いをすれば問題がないからです。
(植物の内部組織には菌は入り込めません。)

生肉は「加熱すること」または「病原菌が発生、付着しえない管理を行う事」が正しい取扱い方法になるわけです。
残念ながら、それ以外に生肉の安全な取扱い方法はありません。

自分で食べる分には何をしようと本人の勝手ですが、他人に食を提供している立場わけですから、正しい取扱いをすることが義務付けられます。
従って今回の規制はしょうがないと感じます。」


ちょっと専門家風な文体。三段論法の授業を思い出しました。

厚労省の方か、それに準ずる組織の方か、少なくとも公衆衛生学を学んでいる方だと思います。



知らない人がここだけを読んだら誤った知識が拡散しそうです。



過去のブログを(字数制限もあるので)前後も併せてちゃんと読めば間違いだとわかってもらえますが



もう一度確認のために論破しておきます(ディベートなので柔らかい言い方は不作法ですので氷のような文体ですがご勘弁を)


ある程度知識のある方ですから、これまでのような素人の方のための解説ではなくて、スポーツライクにやらさせていただきます。




生肉は「加熱すること」または「病原菌が発生、付着しえない管理を行う事」が正しい取扱い方法になるわけです。
残念ながら、それ以外に生肉の安全な取扱い方法はありません。

ここまではいいのですが


自分で食べる分には何をしようと本人の勝手ですが、他人に食を提供している立場わけですから、正しい取扱いをすることが義務付けられます。
従って今回の規制はしょうがないと感じます

ここにつなげるのは論理的な飛躍があり、完全に主張が破綻しています。


どこが駄目かと言うと、



「正しい取扱いが義務付けられます。従って、今回の規制は正しい。」


としている部分です。


今回の規制が『正しい取扱い』」だとする時点で



ODA氏は「厚生労働省のやることは正しく、問題ない」という素朴な前提に乗っかっています。

震災直後に起ったあの現象と同じです。




規制そのものの内容に意図的か、無意識か、全く踏み込んでいません。

従って、ODA氏は前文からの流れで「規制が正しい」という立論をしたかのように見えますが、

「厚労省のやることは正しいに決まってるから、今回の規制はしょうがない」という自身の立場を表明しただけに終わっています。



反論には

厚生労働省の職員は

「生肉を食べない、
一度も食べたこと無い人間もいる、
調理したこともない、
つまり生肉の専門家ではなく、また現場に立ったこともないので、生肉がどう調理されているか、全く知らない。

従って、その意見の信用性は、素人と同じレベルである。
また、法律を作ることで天下り先の利権が生まれるという強い動機づけがあること。
そもそもユッケの食中毒件数は10年で13件ほどと極めて少ない」



という指摘で議論は終了です。



ODA氏の意見は今回の規制がどう、食中毒減に作用するかが一つも証明できていません。





今回の規制は前にも言った通り

「2分茹でてから、肉の中に穴を20個以上開けて保健所に検体を提出すること」を懲役と罰金付で求めています。



「生肉の提供を禁じる法律」であり「安全な生肉を提供できるようにする法律」ではありません。




そして、「安全な生肉の提供の仕方」についてはブログにて仕事の内容を公開し、すでに説明してあります。

菌のついてない肉を仕入れ、菌の付いてない環境で調理し、提供すればいいだけのことです。


「安全な生肉提供」を実現することと今回の「厚労省の規制に賛成する」ということは全く関係がありません。



あと、

「生野菜は充分水洗いすればいいし、餅は細かく刻むなど、調理側で簡単にできることです。
生牡蠣も生食用は出荷時に殺菌されています。

家庭でも店でも、生肉より生野菜の方が圧倒的に数が多いですよね。
それでも生肉より問題になりにくいわけです。
それは、正しい取扱いをすれば問題がないからです。
(植物の内部組織には菌は入り込めません。)」

一応、この部分にも誤ったところがあるので指摘しておくと


生肉含む肉全般(ハムなどの加工品も含む)の食中毒件数は大体、例年食中毒全体の患者数の4~5%程度です。

野菜と、魚介類の食中毒者数も肉とほぼ同じ数字です。大体患者数800くらい。


従って、「生肉より問題になりにくい」という主張は


個人の信仰を告白しただけであり、少しも科学的ではありません。



さらに


植物の内部組織には菌は入り込めません」


とさりげなく置いておくことであたかも牛肉の内部組織には入り込めるのかと読者にミスリードさせる手を使ってますが、もちろん牛肉の内部にも入りこめません。悪質です。



付け加えておくと

「1996年の夏から秋にかけて5月に岡山県邑久町で病原性大腸菌O157:H7による食中毒が発生し、患者数468人、死者2名。6月に、岐阜市の小学校で患者数530人、岡山県新見市でも患者数364人、そして、7月には大阪府堺市で患者数約6500人、死者3人と大規模な食中毒事故が起きた」


これの原因は全て学校給食です。また、2000年にはナスについた病原性大腸菌が原因で3名が死亡する事故も起きています。また、スプラウトでドイツでは49人が今年死亡しています。
これが「生肉」だったら大騒ぎだったでしょうが「給食」や「野菜」なら「たまたま」とみなされます。


従ってこれらの著名な事件に対する記憶力が無いか、または意図的に隠したのか、勉強不足かのいずれかですが、


「生野菜は充分水洗いすればいいし、餅は細かく刻むなど、調理側で簡単にできることです。

生牡蠣も生食用は出荷時に殺菌されています。」

認識が甘いです。簡単な調理などありませんよ。運が良かっただけでしょう。


食べ物は凶器であり、料理は人の命を預かる作業です。


私は生野菜が「安全だ」などと思ったこともありません。








さて、どんなもんでしょう。


実にとげとげしいですね。ディベートは日本人の一番苦手な分野かと思います。


こうやって論議した後、一緒に宴会で酒を飲むとかいうことも他の国ではあるのですが

日本だと中々。

反論すること自体が「相手を貶めている」とみなされますので。


正しい議論のあり方は「ラグビーやサッカーの試合中と試合後」を思い浮かべていくとわかると思います。


ディベートは「正しい道」をつくるためのもので、スポーツのようなものだと思ってください。





さて、本題ですが、


「牛の肝臓(レバー)内から腸管出血性大腸菌O(オー)157が見つかったことが、厚生労働省の調査で15日分かった。厚労省は生レバー提供の是非について検討しており、禁止される可能性が出てきた。
 厚労省によると、8~9月に食肉処理した牛約150頭の肝臓を全国16自治体の食肉衛生研究所で調べたところ、数頭の肝臓の内部からO157が見つかった。
 これまでは牛の腸管に存在するO157が、解体時などに肝臓の表面に付く場合があると考えられてきた。内部にいると分かっていた食中毒菌はカンピロバクターのみで、O157は重症化の恐れがより高く死亡することもあるため、生食は禁止される可能性がある。 」


という記事が出ていました。


元々、「ユッケではなくレバ刺しの規制が本丸」と言ってきたのですが


それへと向けた厚労省の布石です。



どうも、今まで見つけられなかったものが突然見つかったようです。



なんで肉業界はよく叩かれるのかというと



JAや東電のような強力な団体も無く(町内会レベル)



スポンサーとしてTVなどにお金を出しているわけでも無いからなのです。



「もっと肉を食べましょう!」

みたいなCMは見たことないでしょう。



「レバーは危険なのか?」


この問いに答えておくと、



ユッケよりは当然調理の難易度が上がります。

包丁を使い慣れていて、正しい知識が必要になります。




ここで言われている「内部」ですが、皆さんが食べる部分ではありません。



これも厚労省の狡猾なミスリードなのですが。



レバーの中心部には血管と筋がレンコンのように固まっているところがあり
(りんごと、その芯を思い浮かべてください)


この部分は固すぎて食べられないので全て捨てます。「内部」とはここの部分の事です。



捨てる部分に菌がついているからどうしたというのでしょうか。


そのためにきちんとトリミングするのです。


そして冷却すれば増えることもありません。



レバー禁止の是非は論ずるまでも無く、単純な話です。


食中毒の起きた事例を並べて下さい。


もし、「食中毒の起きた食物を禁止する!」というのなら



データ通りにやるのなら、まず、寿司屋や旅館、ホテルでの食事の提供、が真っ先に禁止されて、焼き肉屋はずっと後です。


生肉が特段に危険だという主張は繰り返しますが、根拠の無いただの宗教ですし


日本では国が国民に宗教を強制することを禁じています。

この規制を進めると言うのなら、日本国憲法を変えるか、中東にでも引っ越せばいいでしょう。



そして厚労省は最低でも、国民に「レバ刺しを食べることを禁止したいですか?」と問いかけなければいけません。


もしそれをやらないとすれば、「国民の生活に資する」という国家公務員の大義が無くなります。

自分から給料泥棒してますと告白するようなものです。







ではこんなところで。

金曜日もおいしいお肉とレバ刺しを用意してお待ちしてます。


特に長崎産のインサイドと中トロカルビあたりがおすすめです!