千葉雅也の芥川賞候補作「デッドライン」を読んだ! | とんとん・にっき

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千葉雅也の、第162回芥川賞候補作「デッドライン」(新潮社:2019年11月25日発行)を読みました。

 

もったいない。バカじゃないのか。

抱かれればいいのに。いい男に。

珊瑚礁のまわりで群れをなす魚のように、導きあう男たちが夜の底をクルーズする――。ゲイであること、思考すること、生きること。修士論文のデッドラインが迫るなか、動物になることと女性になることの線上で悩み、哲学と格闘しつつ日々を送る「僕」。気鋭の哲学者による魂を揺さぶるデビュー小説。

 

床に敷かれた布団に移って、しゃぶり合いをした。今度は挿入をせがむことにした。男は渋ったが、面倒そうに立ち上がってローションとゴムを持ってきた。丁寧に指で広げてから挿れたので、それほど痛くはなかった。男は挿入したまま射精し、ゴムを捨てた後に、手で僕をイカせた。(以上抜粋)

 

正直言ってよくわからない小説です。修士論文を書く「僕」と、ゲイである「僕」を丹念に描いてはいますが、やはり文章がこなれていないのがあちこち目につきます。

 

千葉雅也:
1978年、栃木県宇都宮市生まれ。東京大学教養学部卒業。パリ第10大学および高等師範学校(パリ)を経て、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース博士課程修了。博士(学術)。現在、立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授。著書に『動きすぎてはいけない――ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』『意味がない無意味』『勉強の哲学――来たるべきバカのために』『アメリカ紀行』などがある。

 

芥川賞作家朝吹真理子が、書評を寄せています。

「この得も言われぬ、いとしさはなんなんだ」朝吹真理子が耽溺する野間文芸新人賞受賞作『デッドライン』の魅力とは

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200206-00596506-bookbang-ent

 

朝日新聞:2020年2月8日