恵比寿ガーデンシネマで、ジャスティン・チャドウィック監督の「チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛」を観てきました。原作は、デボラ・モガー著、立石光子訳「チューリップ・フィーバー」河出書房新社刊です。
オランダの絵画展を見ると、「チューリップ」の絵が必ず出てきます。鑑賞する絵画の題材として植物を描くようになったのは17世紀。チューリップは16世紀にオスマン帝国からウィーンを経て入り、17世紀初頭には、珍品種の球根が異常な高値で売買される「チューリップ・バブル」を招きました。
オランダと言えば、チューリップ。僕が、「オランダ・ベルギー・ルクセンブルク10日間の旅」で、チューリップの名所「キューケンホフ公園」へ行ったのはツアー第8日目、2011年4月18日のことでした。
さて、「チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛」、予告編には以下のようにあります。
フェルメールの世界から生まれた物語。
17世紀オランダ。チューリップの球根ひとつが
邸宅一軒分の値段で取引されていた時代。
結婚して、跡取りを産めば、その後は安泰。
愛と名誉、そして従うこと。
豪商との愛のない結婚。
当時の、オランダの風俗が、余すところなく詳細に描かれています。金持ちとの愛のない結婚、そして若き妻と無名の青年画家との許されざる愛。魚屋と女中との間でできた子供を、主人に分からないように胡麻化して自分の子供として生む。女中も強者、若き妻を脅したりします。そんな漫画のような話はさておき、フェルメール感覚が漂う、当時の世相が反映されていて、よくできた映画だと僕は思いました。「ラブシーン」も、なかなかの見ものです。
以下、シネマトゥデイより。
見どころ:
『ブーリン家の姉妹』『マンデラ 自由への長い道』などのジャスティン・チャドウィックが監督を務めたドラマ。17世紀のオランダを舞台に、人妻と青年画家の許されざる恋を描く。『リリーのすべて』などのアリシア・ヴィキャンデルをはじめ、デイン・デハーン、ジュディ・デンチ、クリストフ・ヴァルツらが結集。『恋におちたシェイクスピア』などのトム・ストッパードと『プライドと偏見』などのデボラ・モガーが脚本を担当している。
あらすじ:
チューリップと絵画が投資や収集のブームだった17世紀のオランダ。金持ちのコルネリス(クリストフ・ヴァルツ)の妻ソフィア(アリシア・ヴィキャンデル)は、子供ができないことに悩んでいた。ある日、コルネリスは自分たちの肖像画を描いてもらうため青年画家のヤン(デイン・デハーン)を雇う。やがて、ヤンとソフィアは惹(ひ)かれ合うようになる。
「チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛」公式サイト
「チューリップ・フィーバー」
デボラ・モガー著
立石光子訳
河出書房新社刊
十七世紀、空前のチューリップ・バブルに沸くオランダ。球根一つが法外な高値で取引される街で、豪商の若妻と貧乏な画家は道ならぬ恋に落ちた。二人は自由を買うため過熱するチューリップ投機に全てを賭け、さらには妊娠した女中をも巻き込んだ“身代わり出産”を画策する…。フェルメールの絵画に着想を得て描かれ世界的ベストセラーとなった、愛と狂乱のサスペンス。