磯田道史の「『司馬遼太郎』で学ぶ日本史」を読んだ! | とんとん・にっき

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磯田道史の「『司馬遼太郎』で学ぶ日本史」を読みました。

 

本屋で平積みされている本を眺めていたら、前に見たことがあるタイトルの本が並んでいましたが、表紙が違う。どうしたことだろうと深くは追求せずに、なんとなく買ってしまいました。なんと表紙カバーが2枚ついていました。違うバージョンの表紙を、下に載せておきます。まず、タイトルが面白い。「『司馬遼太郎』で学ぶ日本史」、そして著者があの「武士の家計簿」で大ヒットした磯田道史、この両者が揃うと、日本史が簡単にわかってしまう、そんな感じを受けました。

 

 

実は国民的な作家で歴史家の司馬遼太郎、大変な量の著作を出していますし、NHKの大河ドラマ?も司馬の原作が最も多い。僕はなぜか嫌いで、司馬の著作は一冊も読んでいません。司馬遼太郎の代表作と言われているのが、「竜馬がゆく」「翔ぶが如く」「坂の上の雲」の三代長編です。もちろんよく話題に出る大河ドラマも一度も観たことがありません。

 

 

また、磯田道史の著作も、代表作の「武士の家計簿」はもちろん、一冊も読んだことがありません。その後、森田芳光監督により映画化もされました。チャンネルを回した時に、テレビの歴史関連の対談番組でお顔を見ることはありますが、それも観ません。嫌いな二人が揃うと、嫌いでなくなるかも?が、そんなことにはなりません。

 

 

まあ、初めて読んでみました。表紙には「戦国時代の下剋上から昭和前期の破局まで 歴史のパターンが見えてくる」と大きく書かれています。カバー裏には、「当代一の歴史学者が、日本人の歴史観に最も影響を与えた国民作家に、真正面から挑んだ意欲作!」とあります。

 

 

「おわりに」には、以下のようにあります。

 

 

司馬さんは、日本国家が誤りに陥っていくときのパターンを何度も繰り返し示そうとしました。(中略)その国の人が持っている「くせ」「たたずまい」、簡単に言えば「国民性」といったものは、100年や200年単位でそう簡単に変わるものではありません。であるならば、20世紀までの日本の歴史と日本人を書いた司馬遼太郎さんを、21世紀を生きる私たちが見つめて、自分の鏡として未来に備えていくことはとても大切ですし、司馬さんもそれを願って書いていたはずなのです。

 

 

戦国時代の下剋上、幕末維新の大転換、明治から昭和への連続と断絶

 

……歴史のパターンが見えてくる

当代一の歴史家が、日本人の歴史観に最も影響を与えた国民作家に真正面から挑む。戦国時代に日本社会の起源があるとはどういうことか? なぜ「徳川の平和」は破られなくてはならなかったのか? 明治と昭和は本当に断絶していたのか? 司馬文学の豊穣な世界から「歴史の本質」を鮮やかに浮かび上がらせた決定版。

 

目次

 

序 章 司馬遼太郎という視点
第一章 戦国時代は何を生み出したのか
第二章 幕末という大転換点
第三章 明治の「理想」はいかに実ったか
第四章 「鬼胎の時代」の謎に迫る
終 章 二一世紀に生きる私たちへ

 

磯田道史:

 

1970年、岡山市生まれ。2002年、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(史学)。専攻は日本近世社会経済史・歴史社会学・日本古文書学。現在、国際日本文化研究センター准教授。「武士の家計簿」「殿様の通信簿」「日本人の叡智」「龍馬史」「歴史の愉しみ方」「無私日本人」「天災から日本史を読みなおす」など著書多数。

iso1 NHK出版新書

「司馬遼太郎」で学ぶ日本史

2017(平成29)年5月10日第1刷発行
2017(平成29)年7月15日第5刷発行
著者:磯田道史

発行所:NHK出版