ジャンフランコ・ロージ監督「海は燃えている イタリア最南端の小さな島」を観た! | とんとん・にっき

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渋谷のBunkamuraル・シネマで、ジャンフランコ・ロージ監督の「海は燃えている イタリア最南端の小さな島」を観てきました。


命懸けで地中海を渡る難民と小さな島の住民という二つの日常を対比させたドキュメンタリー。来日したジャンフランコ・ロージ監督は「近くにいるがコミュニケーションがとれていない。これは今の世界のメタファーなんだ」と語る。


「想像力に富み、現代を生きる私たちに必要な映画。今すぐ見なくては!」──メリル・ストリープ(女優/第66回ベルリン国際映画祭審査委員長)


「Marvelous!驚くべき映画!」──ジュリエット・ビノシュ(女優)


以下、Bunkamuraザ・シネマのホームページより。


イタリア最南端の島、ランペドゥーサ島。12歳の少年サムエレは手作りのパチンコで遊び、海へ出る漁師、刺繍に励む老女、音楽を流すラジオDJ……島の人々はどこにでもある毎日を生きている。しかし、この島にはもうひとつの顔がある。アフリカや中東から命がけで地中海を渡る難民・移民たちの玄関口なのだ。島の生活と難民たちの悲劇は交わることなく、彼らを結ぶのは、島でたったひとりの医師のみ。島民を診察する傍ら、難民たちの死にも立ち会う。やがて、左目の弱視が見つかった少年サムエレは左目の視力を上げるために、右目を隠し矯正メガネをかける。まるで、今まで見えていなかったもうひとつの目で、未知の世界を見るように──。


ランペドゥーサ島へ1年半の間移り住み、島の“真の姿”を描き出したジャンフランコ・ロージ監督。無邪気な少年サムエレの笑顔、過酷な海の旅を経て島にやって来た難民の涙……小さな島の中には死があり、そして、生がある。それぞれのストーリーが詩情溢れる映像で綴られ、その静かな衝撃が心を揺さぶる。そして、その小さな島に今の世界の姿が浮かび上がってくる。本作は2016年ベルリン国際映画祭で金熊賞(グランプリ)を獲得。ロージ監督は前作『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』でのヴェネチア国際映画祭金獅子賞(グランプリ)に続き、二作連続、ドキュメンタリー初の世界三大映画祭最高賞受賞という快挙を成し遂げた。ベルリン国際映画祭の審査員長だったメリル・ストリープは「この映画が世界中で公開されるためならどんなことでもする」と応援し、当時のイタリア首相マッテオ・レンツィもEU首脳会談で「人々を数ではなくひとりひとりの人間として描いている。この映画を観たら違った視点での議論ができるはず」と、DVDを全首脳に手渡した。そして、アカデミー賞®外国語映画賞イタリア代表に選出され、初の外国語映画賞・ドキュメンタリー賞Wノミネートも濃厚と世界を席巻している。


<ランペドゥーサ島>
地中海のシチリア南方にあるイタリア領最南端の島。面積は20.2km²(鹿児島県与論島が20.47km²)。船が浮いて見えるほど美しい海でも有名な観光地である一方、島の人口約5500人に対して、年間5万人を超える難民・移民がやってくる。


以下、とりあえず「シネマトゥデイ」より引用しておきます。


チェック:『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』などのジャンフランコ・ロージ監督が、アフリカや中東から命懸けで欧州を目指す移民や難民たちにカメラを向けたドキュメンタリー。イタリアの南に位置するランペドゥーサ島を舞台に、島民の日常と共に過酷な旅を経て島にたどり着いた人々の姿を映す。憔悴しきった移民や難民の人々の過酷な現実に言葉を失う。


ストーリー:イタリアのランペドゥーサ島で暮らすサムエレ少年は、友人と遊んだり、祖母やおじさんと過ごしたりして平和な日々を送っている。だが、彼が暮らす地中海に浮かぶ島には、ここ数十年の間アフリカや中東からの移民や難民たちが押し寄せていた。彼らはみな平穏で自由な暮らしを望むごく普通の人々で……。


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朝日新聞:2017年2月9日文化・文芸欄

難民と交わらぬ日常、問う 映画「海は燃えている」のロージ監督に聞く

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