島田雅彦の朝日新聞の記事、「文豪の朗読」野上弥生子「秀吉と利休」を読みました。これを読んでいると、是非とも「秀吉と利休」を読んでみたくなりました。
野上弥生子の「秀吉と利休」はずいぶん前に読んだ記憶があり、文庫本もどこかにあるはずと、探し始めたのはいいが、だいたい文庫本は読み終わったら10数冊を纏めて縛って押し入れの奥の方に入れておくので、いざ探そうとすると、前の本を移動しながら少しずつ本の山のなかから見つけ出さなければなりません。
で、やっと、野上弥生子の「秀吉と利休」を見つけ出したというわけです。かなり茶色く変色していますが、中はきれいで、そのまま読めそうです。それが、434ページ、思っていた以上に厚い文庫本でした。奥付をみると、新潮文庫、昭和44年9月25日発行、昭和45年11月25日4刷、とあります。解説は、水尾比呂志が書いています。
代表作と見做(みな)される本作を78歳で書き上げ、99歳10ヶ月の天寿を全うした野上女史には一般的な老いの定義は適用できない。文章と同様に、朗読も理知的なのだが、あの牛乳瓶底眼鏡の老婆の印象とは裏腹の色気さえ感じる。そう島田は書いています。
朝日新聞:2016年8月21日読書欄
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