塚本邦雄撰「淸唱千首」(冨山房百科文庫:1983年4月27日第1刷発行、2015年11月2日第3刷発行)を入手したので、これから少しづつ読みます。と、ここで宣言しておけば、2、3年後には、なんとか全部読めるのではないかと思うからです。それにしても格調高く、しかも凄い本です。千首ですよ、千首!「3びきのかわいいオオカミ」を購入しに冨山房へ行った折に、この本も一緒に購入しました。人に薦めたくなる本です。
同じ冨山房百科文庫では、きだみのるの「気違い部落周遊紀行」を読みました。
冨山房百科文庫の案内には、以下のようにあります。
副題=白雉・朱島より安土・桃山にいたる千年の歌から選りすぐった絶唱千首。現代最高の歌人が、勅撰和歌集の体裁に倣って、比類ない詞華集一巻を編む。四季・恋・雑に居並ぶ和歌の精粋、至妙の配置、加えて核心に触れる鑑賞の文が、日本の詩情を高らかに謳い上げる。
僕がこの本のことを知ったのは、日本経済新聞(2015年10月13日夕刊)に、平凡社会長の下中直人さんが「淸唱千首」を紹介していたことによります。下にその一部を載せておきます。
本の好みは人それぞれと承知しているので、「面白いから読んだらどう」と薦めることは慎んでいる。その唯一の例外が歌人の塚本邦雄さんによる和歌のアンソロジー「淸唱千首」(冨山房百科文庫)である。いつも数冊の「在庫」を抱えて、詩歌が好きそうな友人にプレゼントしてきた。
「淸唱千首」との出会いは1983年。万葉集刊行から千年という長期間の、しかも千首という膨大な数の和歌を収めた本が出ることを、新聞の書評で知り、さっそく買い求めた。「春歌」「夏歌」「恋歌」「雜歌(ぞうか)」などに分かれているが、これは勅撰和歌集にならってのことだろう。
考えてみれば千年前の言葉が人々の心を打つというのはすごいことだ。「他人に本は薦めない」という禁を唯一破るのは、この日本語の輝きを少しでも多くの人に伝えたいからかも知れない。
塚本邦雄さんの「清唱千首」~「人に薦めぬ」禁破る一冊~
(日本経済新聞:2015年10月13日掲載)
ふと思い出しました。丸谷才一の「新々百人一首」を、斜め読みしたことを…。669ページもある、もちろん内容もですが、これも凄い、大変な本でした。
発行:1999年6月30日
著者:丸谷才一
発行所:株式会社新潮社