イタリア文化会館主催の「ボッティチェリ展記念シンポジウム」に参加した! | とんとん・にっき

とんとん・にっき

来るもの拒まず去る者追わず、
日々、駄文を重ねております。

bo


イタリア文化会館主催の「ボッティチェリ展記念シンポジウム」に参加しました。


朝日新聞の小さな囲み記事(8cm×7.5cm)を観てこのシンポジウムがあることを知り、すぐにイタリア文化会館のホームページから申し込んで、運良く参加することができました。イタリア文化会館へは何度かシンポジウムで行ったことがありますが、なんのシンポジウムだったかは覚えていません。昨年11月頃だったと思いますが、「カラヴァッジョ展」が開催されるというので、何か情報がないかと行ってみましたが、その時はからぶりに終わりました。


千鳥ヶ淵にあるイタリア文化会館は、オルセー美術館の改修を設計したことでも知られるガエ・アウレンティの設計によるもので、外壁は赤い色が塗られています。その外壁が周辺の環境になじまないと周辺住民からクレームがつき、大きな環境問題となりましたが、いまはその騒ぎも収まって、環境にマッチした建築として親しまれているようです。


さて、辻邦生の「春の戴冠(上・下)」(新潮社:1977年5月25日発行)ですが、読んだのは1978年頃だと思いますが、僕がボッティチェリについて、あるいはイタリア・ルネサンスについて、詳しく知ることができたのはこの本を読んだことによるものです。いつかはフィレンツェへ行ってみたいと思い、やっと行けたのは1990年のことでした。ウフィッツィ美術館のボッティチェリの部屋で「春」「ヴィーナスの誕生」を初めて観た時の感動は今でも忘れません。その後、2004年にもウフィッツイ美術館を訪れました。


今回の講師、小佐野重利によると、辻邦生の「春の戴冠」は、ボッティチェリの時代や当時の工房の姿も含めて、ボッティチェリについて書かれた書物のなかでは「世界に類例がない」と絶賛していました。


さて、今回の「ボッティチェリ展」は、日伊国交樹立150周年を記念する企画として、イタリア政府が全面的にサポートするもので、フィレンツェを中心に世界各地から、ボッティチェリの貴重な作品20点以上が東京に来るという。シンポジウムで各講師により話題に出たボッティチェリの作品は数多くありました。


なかでも聖書の一場面を描いた「東方三博士の礼拝」でした。チラシには「巧みな構図より、聖母子に視線が引き付けられる。群衆の何人かはフィレンツェの名家メディチ家の人物とみられる。右端でこちらを見ている仁尾はボッティチェリ自身の自画像とされる。」とあります。


シンポジウムの詳細をここで記すことは僕の手に余ることですので、「ボッティチェリ展」のチラシの画像を下に載せてお茶を濁すことにします。展覧会の前売り券は購入してあるので、近いうちに観に行きます。


shin

以下、「ボッティチェリ展記念シンポジウム」の概要です。

ボッティチェリ展(2016年1月16日~4月3日、東京都美術館)開催を記念し、日伊の専門家によるシンポジウムを催します。(日伊同時通訳付)

お問い合せ:イタリア文化会館
eventi.iictokyo@esteri.it Tel. 03-3264-6011(内線13, 29)


スピーカー:

小佐野重利 東京大学大学院教授
アレッサンドロ・チェッキ 美術史家(パラティーナ美術館前館長)
クリスティーナ・アチディー二 美術史家(フィレンツェ歴史・美術・文化人類学遺産および美術館群監督局前長官)
ジョナサン・ネルソン シラキュース大学フィレンツェ校、ハーバード大学ルネサンス研究センター ヴィッラ・イ・タッティ学術事業担当副所長


第一部 4名のスピーカーによる発表
クリスティーナ・アチディー二 
「ボッティチェリとメディチ家」
小佐野重利
「日本におけるフィレンツェ派の受容小史―とくにボッティチェリに言及して―」

アレッサンドロ・チェッキ
「ボッティチェリの家庭内での暮らしについて」

ジョナサン・ネルソン 
「言葉とイメージ:ダンテおよびペトラルカの挿絵画家としてのボッティチェリ」

休憩

第二部 パネルディスカッション
上記4名によるパネルディスカッションです。休憩時間にお客様から質問を集め、スピーカーがそれにお答えします。

以下、「ボッティチェリ展」チラシより

bott4

bott3

bott2


辻邦生「春の戴冠(上・下)」(新潮社:1977年5月25日発行)

bott1


「ボッティチェリ展」

サンドロ・ボッティチェリ(1444/45-1510)は、優雅で美しい聖母や神話の女神を描いた画家として知られます。その作品は多くが板に描かれ、きわめて繊細であるため、まとまった数の来日はこれまでに叶いませんでした。日伊国交樹立150周年記念として実現する本展は、フィレンツェをはじめ世界各地から20点以上ものボッティチェリ作品を集め、その画業を一望する大回顧展です。

フィリッポ・リッピの工房で修業を積み、生涯のほとんどをフィレンツェで過ごしたボッティチェリは、メディチ家の画家として名を馳せ、大型の祭壇画から私的な神話画まで、幅広い主題の絵画を手掛けました。同時代の芸術家たちが、遠近法や明暗法を駆使した自然主義的な表現に向かうなか、ボッティチェリは中世美術を思わせる装飾的、象徴的な様式を貫き、独自の絵画世界を作り上げます。本展においては、初期から晩年までの宗教画、神話画、肖像画を通して、ボッティチェリ作品の特徴と魅力を紹介するとともに、師のフィリッポ・リッピや弟子のフィリッピーノ・リッピの作品をあわせて展示し、15世紀フィレンツェにおける絵画表現の系譜をたどります。


「東京都美術館」ホームページ