内田宗治の「カラー版 東京鉄道遺産100選」(中公新書:2015年8月25日発行)を読みました。
内田は、鉄道遺産という個別の実物は、独自の視点で歴史を我々に語りかけてくる、として、それらを訪ね歩き、実物たちが無言で語る話を編み上げていけば、「もう一つの鉄道史」が見えてくるのではないかと言い、語り部としてふさわしい物件を都内で100か所選んでみた、という。鉄道遺産を「歴史的に価値があるので観ておきたい施設や線路跡」、「なんとなく懐かしい気持ちになるので残したい施設や線路跡」という視点で選んだ、という。その「100選リスト」を、下に載せておきます。
100選リスト
本の帯には、以下のようにあります。
開業以来150年、東京の鉄道はつねに町づくりとともにあった。江戸以来の水道を横切るための煉瓦アーチ橋。多摩川の砂利で作ったコンクリート高架。壮麗な旧万世橋駅や浅草駅。そしてあちこちに延伸された軍用鉄道と戦争の痕跡・・・。東京駅舎のように誰もが知っている文化財から、絶滅寸前の吊り掛け電車や駅の木製ベンチ、構内踏切のような意外なものまで、首都に残る貴重な100の歴史的遺産を精選して紹介する。
内田宗治:
1957年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業。実業之日本社で旅行ガイドブックシリーズのブルーガイド編集長等を務めた後、フリーライターに。
主著:関東大震災と鉄道「(新潮社、2012)」、「『水』が教えてくれる東京の微地形散歩」(実業之日本社、2013)、「ゼンリン住宅地図と最新ネット地図の秘密」(実業之日本社、2014)、ほか
目次
はじめに
第1章 江戸時代との出会い
第2章 煉瓦建築時代の鉄道遺産
第3章 多摩川砂利でのコンクリート都市建設
第4章 軍用線と戦災
第5章 都電と地下鉄、都市のインフラ
第6章 駅舎と駅の施設と
第7章 現役列車と保存車両
あとがき
主要参考文献
過去の関連記事:
LIXIL出版
「鉄道技術の歴史」をめぐる
ブルーバックス
2013年5月20日第1刷発行
著者:小野田滋
「鉄道技術の歴史」をめぐる
ブルーバックス
2014年10月20日第1刷発行
著者:小野田滋
朝日新聞2015年9月30日朝刊
「鉄道遺構 再発見」
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