世田谷美術館で「渡辺豊重と平野甲賀」展を観た! | とんとん・にっき

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世田谷美術館で、「<それぞれのふたり>シリーズ 渡辺豊重と平野甲賀」展を観てきました。行ったのは、小雨降る7月8日のことです。たまたまお昼を食べに「ル・ジャルダン」へ行ったときに、この展覧会が開催されているのを知りました。渡辺豊重と平野甲賀、最初はまったく知らない人かと思って観ていました。作品を丹念に観て回るうちに、少しずつ思い出しましたが、どちらかというと平賀甲賀の作品の方がよく知っていました。チラシには「ユーモア溢れる造詣が特徴の渡辺豊重と、踊るような文字の装丁で知られる平野甲賀」とあります。


<それぞれのふたり>シリーズ 

渡辺豊重と平野甲賀

2015年4月21日(火)~7月20日(月・祝)

会場:世田谷美術館2階展示室


渡辺豊重:

1931年、東京府芝区三田通新町(現・港区芝1丁目)に、洋家具製造販売、室内装飾業を営む家に生まれる。日本鋼管や小松製作所、くろがね自動車(のちの東急自動車)などに勤めながら絵を描く。1956年、川崎市の画材店・市川金昌堂が主宰する美術研究所に通い、難波田龍起、中谷泰に教えを受け、また、田中岑らの講演を聴講し感銘を受ける。1957年、第16回創元展に入選し、1960年、東急自動車を退社して作品制作に専念する。絵画、版画、彫刻などの様々な分野を横断した自由な表現で、体温が感じられるような有機的なフォルムと鮮やかな色彩のユーモア溢れる作品を発表。1981年、第9回現代日本彫刻展にて宇部市野外彫刻美術館賞を、1989年、第12回安田火災東郷青児美術館大賞など様々な美術展での受賞を重ねる。


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平野甲賀:

1938年、京城(現・ソウル)生まれ。1961年、武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)デザイン科卒業。在学中に日宣美特選受賞。卒業後は高島屋宣伝部に入社、1964年以降はフリーのブックデザイナーとして活躍し、これまでに手掛けた本の装丁は約7000冊。1964年から1991年まで、晶文社の装丁のほとんどを担当する。同社の編集者であった津野海太郎とともに演劇活動に参加し劇団の舞台装置、衣装、広報物を手がける。1973年、「ワンダーランド」(のちの『宝島』)アートディレクターとなり反響を呼ぶ。1978年より「水牛通信」、水牛楽団の活動に参加。1984年、「本郷」の装丁で、講談社出版文化賞のブックデザイン賞を受賞。2005年、自ら運営する劇場 シアター・イワト設立。


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「<それぞれのふたり>シリーズ 渡辺豊重と平野甲賀」

世田谷区美術館では、毎年数多くの作品が新たなコレクションとして収蔵されています。<それぞれのふたり>シリーズは、近年まとまって収蔵された作品を中心に2名の作家をピックアップし、ご紹介するものです。今回は、ユーモア溢れる造詣が特徴の渡辺豊重と、踊るような文字の装丁で知られる平野甲賀の版画作品を紹介します。独自の活動を展開してきた個性溢れるふたりですが、明快で生きいきとした造形感覚は、どこか共通するものがあるのではないでしょうか。それぞれのふたりの世界を、ご堪能いただければ幸いです。


「世田谷美術館」ホームページ