木版画家・山高登「東京の昭和を歩く」を観た! | とんとん・にっき

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木版画集「東京昭和百景」を観てきました。久しぶりに行った新宿・歌舞伎町、コマ劇場跡の巨大な建物がそびえ建っていました。それにしても歌舞伎町は日本一の繁華街、若者人口が異常に多い。

場所:東京都健康プラザ・ハイジア
   1階アトリウム「アートウォール」
   東京都新宿区歌舞伎町2-44-1
時間:10:00~20:00

山高登の世界

木版画家・山高登は、大正15年東京の淀橋で生まれ、そこで少年時代を過ごしました。成人してからは新宿の出版社に勤務し、編集・想定などの仕事をする傍ら木版画の魅力に惹かれ、独学でその手法を習得しました。出版社退職後、木版画の創作に専念し、以降約半世紀にわたり東京や日本各地の風景を中心に、幻想的かつ情緒あふれる作品を残しています。


山高登が描く風景は、観光地や名所旧跡などの華やかな場所ではなく、人の暮らしの身近にある何気ない風景です。人々が生活の営みの中でつくりあげた街の「形」、街が持つ固有の「空気感」を表現することに取り組んできました。作品に描かれた場所はすでに開発され、失われたものがほとんどですが、今でもたまたま迷い込んだ路地で出会えることがあります。そういった意味で、山高登の作品は、東京が失ったものへの「鎮魂歌」であり、生き残っているものへの「応援歌」とも言えます。


展示作品の概要

第1部 少年の日の想い出

「二階の応接間の窓を開けると桜山の木立の上に、風のない日は映画館のアドバルーンが二つ三つ豆粒ほどに浮かんでいてアンリ・ルソーの風景画を思わせた」という。山高登の少年の日の情景が広がります。

第2部 文学の薫る町かど

新宿にある出版社で、長く編集の仕事に携わっていた山高登の周りには、様々な文学の薫りがします。そしてその薫りは、山高登の版画作品の中に色濃く漂っています。

第3部 昭和の意匠を求めて

山高登が愛して止まないものは、長年かけて熟成された町の空気感と消えゆく昭和の意匠―。スケッチブックとカメラを抱えて、昭和の面影を求めて歩いた、そんな山高登の視線の先を訪ねます。

その他 版画の原点―新宿の想い出

     山高登の仕事(版画を使った蔵書票・装画作品の紹介)


木版画家・山高登「東京の昭和を歩く」:作品の一部


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木版画家・山高登:装画

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木版画家・山高登:蔵書票

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山高登:略歴

1926(大正15)年 東京都で生まれる

1962(昭和37)年 この頃より木版画を独習

1973(昭和48)年

    カレッジ・ウィメンズ・アソシエーション主催の

    「現代版画展」に初出品

1975(昭和50)年 銀座・瞬生画廊にて個展

1978(昭和53)年

    勤めていた出版社を退職

    その後創作活動に専念し、各地で個展を開催

1991(平成03)年

    山高登木版画全作品刊行(瞬生画廊)

1999(平成11)年 書票作品集を刊行(呂古書房)

2013(平成25)年

    東京昭和百景・山高登木版画集刊行

    (シーズ・プランニング)


hyaku6 「東京昭和百景」

 山高登 木版画集

発効日:2014年3月20日

著者:山高登(画・文)

発行所:株式会社シーズプランニング

発売:株式会社星雲社







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