前回の続きです。
皆に再就職のお祝いをしてもらい、朝帰りする皆を置いて私一人で帰ることに。
帰り際に、Uくんから今度二人で出かけないかと誘われたのを何とか切り返して家路についていた時。
かずおくんからメールが届きました。
「気をつけて帰ってね。大丈夫?」
私はその「大丈夫?」は酔っ払ってたけど大丈夫?という意味に捉えたので、「ちょっと酔ってるな〜って感じだけど大丈夫だよ」と返しました。
するとそれに対しての返事は。
「それもだけど。Uのことだよ。カラオケの時も距離近かったし、エレベーターまで見送りにも行ってたけど何もされてない?」
あ、なるほど、と思いました。
私は何もされてはないけど、二人で出かけないかと誘われたけど断ったということを伝えました。
「そっか(笑)そんな流れで言いにくいんだけど、俺とはまた二人で出掛けてくれる?」
そう返ってきました。
そんなの改めて聞かなくてもいつものことなのになぁと不思議に思いながら、もちろんと返事をしました。
その後、私は新しい職場で働き始め、何とか慣れてきた頃。
かずおくんから「再就職が決まった」と連絡がありました。
またこの間のメンバーでお祝いしよう!と私から提案しました。
するとかずおくんが、じゃあ俺から連絡しとくから、と言いました。
主役にそんなことやらせていいの?(笑)と聞きましたが、「声かけるついでにお祝いのプレゼントよこせって言ってやろうと思って(笑)何持ってくるか楽しみじゃん?」と言われて、そうだね、と返して任せることにしました。
私の都合を聞かれ、その後しばらくすると日にちと待ち合わせ時間、場所が送られてきました。
私は、みんなが何かお祝いプレゼント持ってくるなら私も用意しないと、と思い、かずおくんの名前を彫ったボールペンを用意して当日を迎えました。
しかし、一つ不思議でした。
待ち合わせが午後とはいえ、まだ明るい時間だったからです。
こんな昼間から飲むのかな、と思いながら待ち合わせ場所に行くと、かずおくんがいました。
「主役なのに待たせちゃった?でも他のみんなもまだなんだね?」
するとかずおくんは私に向き合っていいました。
「ごめん。今日さ、他のみんな誘ってない。」
へ?と変な声を出してしまいました。
誘ってないとはどういうことなのか?
「みんなは別の日に声掛けてある。でも今日は、あなたにしか声掛けてない。」
「えっと〜…じゃあ今日は二人?」
「うん、そうだね。デート。」
いやいやデートって(笑)と冗談っぽく返しましたが、かずおくんは私の手を握って歩き始めました。
今までそんなことされたことがなかったのでドキッとしました。
でも嫌な気持ちはなく、そのまま繋いで歩くことにしました。
どこに行くの?と聞くと、デートといえば?と返されました。
「デートといえば…?ん〜水族館、とか?」
「あーそれもいいね。今度行こうか。」
ということはハズレなのか。
ってか今度って、それも、デート?
色々混乱する頭で歩きながらたどり着いたのは映画館でした。
「何の映画観るの?」
そう聞くと、あれだよ、と指をさして教えてくれました。
それはこの前みんなで飲んでた時に、今度やるあの映画観たいんだよね、と会話の中でポロッと言ったものでした。
「観たいって言ってたよね?」
「いや、言ったけど…あんなちょっと言ったことよく覚えてたね?」
まぁね、と得意げな顔のかずおくん。
ジュースを買って、映画を楽しみました。
映画のあと、この後どうする?と聞くと、お店を予約してるからと言われました。
時間まで少しあったので、近くのゲームセンターで時間を潰して、お店へと向かいました。
居酒屋か何かかと思いきや、すごくちゃんとしたオシャレな高級レストランでした。
私は普段好んでワンピースなどを着ていたのでこの日も問題ありませんでしたが、ジーパンとかでは入れない感じのお店でした。
通されたのも夜景が見える、半個室のようなプライベート空間でした。
「もうコース頼んであるから、飲み物だけ選んで。赤ワインがいいかな?なら俺も飲むからボトルで頼むけど。あ、値段は気にしなくていいから。」
「えっと…赤ワインでいいけど…。それより…今日ってかずおくんの再就職祝い、って名目だよね?」
「いや、だからデートだって言ったじゃん(笑)」
そう言いながらウエイターさんに飲み物を注文しました。
「就職祝いは、今度みんなで会った時にお祝いしてよ。今日はただ純粋にあなたとデートがしたかっただけ。ダメ?」
「いや、ダメじゃないけど…。二人でなら、今までだって出掛けてたじゃん。なのにいきなりこんな高級なところとか、デートって言ったりとか…急にどうした?って思うよ(笑)」
かずおくんの返事より先にウエイターさんがきて、グラスにワインを注いでくれました。
その流れで乾杯をして、お互い一口飲むと、かずおくんはグラスを置いて私と向き直りました。
「俺は、他の誰にもあなたを取られたくないって思いました。今まで友達として俺の事見ててくれたと思うから、デートって言えば、少しは俺の事を異性として認識して過ごしてくれるかなと思って。俺は女の子として、あなたが好きです。」
そう言われました。
今思えば、本当は私はずっと好きだった気がします。
でもW浮気疑惑をかけられて、それは違うと否定し続けてきたから、この人のことは絶対好きになってはいけない、好きになってしまったら嘘が本当にさせられてしまう、そう思っていたから頑なに好きにならないようにしてきた気がします。
W浮気疑惑の話はこちらから。
「本当は食事終わってから言おうと思ってたんだけどな。だってダメだったらせっかくの食事なのに絶対味しないじゃん?(笑)あ、だから返事はあとで!取りあえず美味しく食べたいし!(笑)まぁ、もしダメでも友達として今まで通り、ってわけにもいかないかもだけど、友達としていてもらえたら嬉しいな。」
「めちゃくちゃ喋るじゃん(笑)ってか仮定が何で全部ダメなの前提なのwww」
自分に自信がないから、とかずおくんは言いました。
仕事もしてないのに付き合いたいなんて言えない、と思っていたらしいです。
そんな中、みんなとの飲み会で私と距離の近いUくんを見て、焦ったようです。
そして私も新しい職場に慣れて、自分も仕事が決まったタイミングで、今日告白しようと決めたそうです。
「そっか。ありがとう。私でよければ、よろしくお願いします。」
私の返事に、かずおくんはびっくりした顔をしてました。
高嶺の花でもない、平凡な私に対してどんだけ勝算なかったんだよと思って笑ってしまいました。
「ってか!返事あとでにしてって言ったじゃん!(笑)」
「いや、これでスッキリして美味しく食べられるんだから今言って良かったでしょ(笑)」
そんな軽口を叩き合う私たちは、全然恋人っぽくないスタートでしたが、お付き合いすることになりました。

