東京国立近代美術館へ「ゴッホ展」を見に行ってきました! | 三太・ケンチク・日記

東京国立近代美術館へ「ゴッホ展」を見に行ってきました!

「ゴッホ展」チラシ

行こうとすると最終日に近くなるといういつものパターンですが、5月22日で終わるという「ゴッホ展 」へ行って来ました。久しぶりの竹橋の「東京国立近代美術館 」でした。チケットを買うのも並んでいましたが、列に並ぼうとすると炎天下の中、なんと100分待ちとの掲示が出ていました。最後尾は、延々並んで武道館へ曲がる道路付近まででしたから。驚きましたよ、久しぶりですね、こんなに並ばせられたのは!最近では数年前の「雪舟展」以来かな?


「芸術家としての自画像」

フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)は、オランダに生まれ、僅か10数年の活動で約2000点の作品を遺し、フランスで37歳の命を自ら絶ったという、誰でもよく知っている画家です。生涯たった1枚の絵〈赤い葡萄畑〉しか売れなかったと言われています。娼婦と同棲したり、自らの耳を切ったり、彼の奇行は伝説となっています。ゴーギャンとの確執も有名です。ゴッホの生涯を経済的、精神的に支えた弟テオとの手紙のやりとりもよく知られています。浮世絵をモチーフにした作品を制作したこともあって、日本人に人気の高い画家でもあります。先日、深夜テレビで放映されていた「ゴッホ」の映画を見たことを、このブログのどこかでちょっと書きました。


「種まく人」

この前に「ゴッホ」の絵を見たのは、損保ジャパン東郷青児美術館で行われた、「ゴッホと花―ひまわりをめぐって―」という展覧会でした。2003年の秋ですね、見たのは。これはゴッホ美術館シカゴ美術館のもので、「ルーラン夫人<揺り籠を揺する女>」を中央に、2点の「ひまわり」で左右を飾る、いわゆる「三幅対」展示ですね、ゴッホが夢見たというものです。今回展示されている「糸杉と星の見える道」とか「公園の小道」が、僕の記憶に間違いがなければ、その時に展示されていたと思います。今回の「子守女ルーラン夫人の肖像」は「三幅対」の時とは違っていますが。


「黄色い家」

今回の「ゴッホ展」は、オランダのファン・ゴッホ美術館クレラー=ミュラー美術館という、世界最高峰の二大ゴッホ・コレクションから出品されるものです。今回の展示は「単なる回顧展でもなければ、ある特定の時代や主題に絞ったテーマ展でもありません」と断り書きがあるように、様々な同時代の資料多数をあわせて紹介することで、画家の実像にせまろうとする、一風変わった展示のコンセプトになっています。ですから、ゴッホの油彩30点の他に、ミレー、セザンヌ、モネ、ゴーギャンなどの油彩約30点、そして宗教的な版画や浮世絵なども併せて展示してありました。


「夜のカフェテラス」

よく知られていろところから言えば、ゴッホの「花魁(渓斎英泉による)」、渓斎英泉の「花魁」が並んで展示してありました。歌川広重の浮世絵も数点展ありました。ゴッホは生涯40点近くの自画像を描いていますが、「芸術家としての自画像」がありました。ゴッホは読書家だったようで「3冊の小説」という題名の絵があり、「石膏像のある静物」には、モーパッサンの「ベラミ」が描かれていました。そういう時代だったんだと、妙に納得しました。


「花魁(渓斎英泉による)」

人だかりがしていたのはやはり、「種まく人」「黄色い家」「夜のカフェテラス」の3つの作品が並んでいるところでした。その中でも僕は「夜のカフェテラス」を、一番興味を持って見てきました。特に、あの照明で明るくなった黄色と夜空のブルーの色を何度も見ました。でも、なにしろたくさんの人で、とても絵のそばには行けませんでした。遠巻きに見てきたという感じです。ほとんどがご婦人連中でしたね。人気が高いんですね、ゴッホは!

*絵の色が実物とはかなり違うのはご了承ください。


東京展:東京近代美術館  2005年3月23日~5月22日
大阪展:国立国際美術館 2005年5月31日~7月18日
名古屋展:愛知県美術館 2005年7月26日~9月25日