ハンドベル・クリスマス・コンサート | 三太・ケンチク・日記

ハンドベル・クリスマス・コンサート

近所の教会の鐘が朝、昼、晩と鳴っています。 幼稚園も併設してあり、お受験で有名な幼稚園です。着飾ったお母さんが車で送り迎え、ベンツやBMW、アウディ等々、外車がズラリならびます。それを追って、警察のミニパトカーがマイクでがなり立て、チョークで線を引いて行きます。まあ、年中行事、「イタチゴッコ」ですけどね。こちらとしては、うるさくてしょうがない、困ったもんです。

教会の鐘楼といえば、ヒッチコックの名作、サスペンス映画「めまい」ですね。高所恐怖症の男が教会の鐘楼から飛び降りようとした女を、高所恐怖症故に見殺しにしてしまう。木の階段が腐っていてガクンと落ちるところや、その男が下を見ると画面がズーッと引いていく場面、あれでますます恐怖感が出てきます。キム・ノバクがまたいいんですよね。一見、一人二役のようですが、実はそうではない、淑女と庶民派の女性を見事に演じ分けています。そういえば、マリリン・モンローの「ナイヤガラ」もサスペンスですが、確か教会の鐘楼が出てきたような?

年末が近づくと、いろいろな催し物のに誘われます。多いのがやはり「クリスマスコンサート」のたぐいですね。教会系の「女性コーラス」には毎年誘われて行ってましたが、今年は初めて「ハンドベルコンサート」に誘われ、半分興味本位で行って来ました。それにしても、1階800人、2階500人の計1300人収容のホールがほぼ満員。年に一度のコンサートとはいえ、「集客力」があるんですね。演奏は休憩を挟んでの2部構成、前半7曲、後半7曲、アンコール2曲、教会やクリスマス関連の曲がもちろん多かったですけど。

ハンドベル」は、16世紀にイギリスで生まれた楽器で、正式には「イングリッシュ・ハンドベル」と呼ぶそうです。イギリスの教会の塔の上にある大きな鐘、鐘楼の鐘、「タワーベル」というんだそうですが、それを鳴らすための練習用として考案されたようです。日本では1964年に初めて紹介されてから、教会やミッション系の学校を通して急速に広がり、今では1000チームもあるそうです。演奏者のプロフィールを見ると、ほとんどがミッション系の女子中学や高校時代にハンドベルと出会って、演奏に参加しているようです。ハンドベルは小さいもので200g、大きいものだと8kgもの重量があるそうです。楽器自体、非常に高価で、5オクターブで約300万円もするそうです。ですから個人ではとてもとても。だいたい4オクターブ、12人構成が基本のようです。

ハンドベルで、ひとつの音楽を創り上げるためには、当然ですが、リンガー(演奏者)一人一人の集中力や協調性が必要とされます。俺が俺がというのでは、全体がうまくいかないのは、演奏を見ていてよくわかりました。僕も今更ながらですが、大いに反省するところがありました。なによりも全員が心をひとつにして初めて一体感が生まれ、その美しい音色を奏でることが出来る、というのがハンドベルの大きな特徴ですね。間違えないようにという緊張のあまり、楽しそうに演奏しているように見えなかったのがちょっと残念です。「天使にラブソングを」のように、踊りながら演奏しろとまでは言いませんが。でも、ちょうどクリスマスの時期に、初めてハンドベルの楽しい演奏を味わって、なにしろ知らないことを知ったということでも、いい体験になりました。