最近のうちの、パンジー。
そこかしこによく植えられていて。
植物に気付かない人でも…
きっと 一度は見たことあるよね？
かわいらしいでしょ、
パンジー。
私の、
パンジーの大好きなところ
それは…
寒ければ寒いほど、
元気に咲くところ
くしゃっと枯れた花ガラを、
丁寧に詰んであげればあげるほど、
後から後へと
まるで不死鳥のようー
燃えるように花が増えて咲き続けるところ
ありふれていて
気付いている人は少ないかもしれないけど……
パンジーは紛れもなく
冬の花なんだよ。
冬にしか咲けない。
真冬に春の色を先取りさせてくれる花。
寒ければ寒い程 元気に咲いて、
冬の凍えた気持ちを
和らげてくれる存在。
だけど本当の暖かな日差しが照るころには…
ボロボロのくしゃくしゃになって
無残な姿になるの。
誰も真冬の間に
こんなにもパンジーが心を
あっためてくれてたことなんてもう忘れちゃってさぁ…
その本物の春のうららかな日差しの中では
事もなげに、
桜が咲くのを待ち望む。
私は枯れたパンジーを見る時、
本当に寂しい気持ちになるんだ。
そう、
桜が散るのを見るときよりももっと
残酷な寂しさを。
真冬 あれだけ 何度も咲いてたのに
気付かれずに枯れてく
あまりにも ありふれた 死を。
誰にも気付かれずに死んでいくその花を、
私は ずーーーっと
大切に見つめとく。
いま 咲いててくれて、ありがとう。
この凍える空の下。
誰にも気付かれずとも がんばるもの
それが 私にとって 大切なもの。
