本日のお稽古日記担当の三浦です。

 

上級生達は引き続き春から取り組んでいる仕舞を、新入生たちは新たな1年生仕舞に取り組んでいます。

なんと新入生達が今回選んだ仕舞は全て強吟・大ノリとなっていて、これまで取り組んでいた仕舞湯谷が和吟・小ノリであったのとちょうど反対になっています。

新たな謡い方で大変かもしれませんが、頑張ってマスターして欲しいですね!

 

 

少し細かい話ですが、実は拍子ニ合ハズ、小ノリ(中ノリ)、大ノリ以外にも違うノリがあります。

 

一つ目は"渡り拍子"です。小ノリに含まれていて我々の謡本上には書いていません。(八ツ割中で)2拍目から謡いだすという原則があり、比較的ノリのよい謡い方になるそうです(大ノリに近い?)。出端事である"下り端"の際はこの拍子で謡われますが、それ以外の部分でも出てくることがあり、網之段の「三吉野の~」笠之段の「雨に着る~」の部分はこのノリで謡われます。(興味のある方は手付を見てみると分かりやすいです。)いずれもシテ謡と地謡が同じ詞章を繰り返していますが、これは渡り拍子の特徴なのでしょうか...?

 

二つ目は"小歌拍子"です。放下僧小唄、笠之段の「難波女の~」はこのノリで謡われ、我々の謡本上にも「大ノリに類する特殊のノリ」とあります。また謡本上には書いてありませんが花月の「来しかたより」~「恋こそ寝られぬ」、大江山の「うち見には」~「馴れてつぼいの山伏」も小歌拍子ということです。基本的には1字1拍で謡うのでやはり大ノリと似た謡い方になります。大ノリとの相違点は①文字のほぼ全てが当たること②"詰め"が用いられていること、かなと個人的に思っています。

 

 

まだまだ知らないことがたくさんありますから、勉強を続けていきたいですね!

(参考サイト: http://www.tsurukameza.com/research.html